中国で売れているアウディ
「穿越中国之旅」と漢字のタイトルも用意された「アウディQ3トランスチャイナツアー2011」。世界各国から160人のジャーナリストを集め4つのグループを編成、20台のQ3を用意して北京から桂林までの5700kmを走破するというものだった。
中国ではツーリスト向けのレンタカーはまだないはずだし、当局は外国人旅行者がハンドルを握って、好き勝手に走りまわるのを好まない、と言われる。それをアウディでは可能にしてしまった。背景には、アウディと、アウディが属するフォルクスワーゲングループが、北京と長春で1991年から自動車生産を始めているという、良好な関係も影響していそうだ。
アウディではA6の中国仕様であるA6L(ロングホイールベース)、同じようなA4L、そしてSUVのQ5を生産しており、すでに100万台を突破。さらに「この先3年で100万台上乗せする」と鼻息が荒い。長春工場でそのことを話してくれたのは、中国での合弁会社FAW-VW(一汽フォルクスワーゲン)アウディ事業部マネージング・ダイレクターのドミニク・ベッシュ氏。2010年9月までアウディジャパンの代表取締役社長を務め、日本での業績を伸ばしたフランス人だ。
中国では海外生産のアウディ各車も輸入販売されており、街ではA8やR8など新しいモデルも見かける。中国が世界貿易機構(WTO)に加盟してから、かつて300%ともいわれた関税率が10%台に落ち着いている背景もあり、中国の空港にはA1の大きなポスターが張り出されている。我われ日本から訪れたチームのQ3試乗は深蝨ウがスタートだったが、そこでも多くの通行人がデジカメでクルマを撮影していた。早くも話題性は充分にあるということか。