その影響力はモータースポーツの世界にとどまらず、スクリーンの中でもジャンポール・ベルモンドらの愛車として登場。日本でもA110が『ルパン三世』の峰不二子、A310が『新世紀エヴァンゲリオン』の葛城ミサトの愛車として登場するなど、アルピーヌはフランスを代表するスポーツカーとなった。
さらにアルピーヌはプロトタイプ・レーシングカーを仕立てて19600年代からル・マン24時間レースにも参戦。ルノーの一部門となった1973年からはさらにその活動を活性化させ、1978年にはA442悲願の総合優勝を達成。名実ともにフランスの“プライド”となったのである。
その後1995年にA610ターボの生産が終了すると、アルピーヌの名はいったん表舞台から姿を消した。にもかかわらず、事あるごとに「アルピーヌ復活」の噂が流れたのは、それだけ人々の心に残り、期待を寄せられていた証拠といえるだろう。
2017年のジュネーブ・ショーでアルピーヌは高らかに復活を宣言した。それはまた、フランス発信のスポーツカー文化の復活を告げる狼煙でもあった。