ゴルフクラブのフィッティングは緊張するものである。これまで何度も体験してきたが、ドキドキ感は変わらない。普段通りのスイングをしないと、という使命感がギクシャクした動きをつくってしまう。今回もそんな思いのまま、ダンロップクラブハウス赤坂店に赴いた。
すると雰囲気は思いのほかアットホーム。クラブドクターの鈴木章哲さんが笑顔で迎えてくれ緊張感はほぐされた。クラブドクターはダンロップが独自のカリキュラムで育成した専門スタッフ。ギアの知識だけではなく、スイングやフィッティングに関するあらゆる質問に答えてくれる。今回もスコアアップにつながる的確なアドバイスをもらった。
さて、フィッティング。クラブは今、ゴルフ業界で話題の「ゼクシオ ナイン」、そのドライバーである。ゼクシオはプロゴルファーからアマチュアまで広く愛されるモデル。我々のようなアベレージゴルファーには、気になるギアの一つと言えよTONY TANIUCHIう。新型の特徴はヘッドが2g重くなるとともに重心が低く深くなっている点。ソールを見れば円形のウエートが従来型より後方へスライドしているのが分かる。この辺はボールに対し、当たり負けしないとかいろいろ効能効果があるようだ。
それでは振った感じはというと、確かにヘッドの存在感がこれまでより増した。遠くから遠心力が加わりながらヒュッと目の前に現れる感じだ。加速も十分。しかも打球音がいい。音域は比較的高めでそのまま残響となる。林間コースのティーグラウンドで聞いたら気持ちよさそうだ。そんなヘッドと組み合わせるのは新開発のMP900カーボンシャフトとMiyazakiシャフト。それをロフト角10・5度のヘッドに差し込む。硬さはSR。1、2球ウオームアップしてそれぞれ5球のデータをとった。1打目は丁寧に、2打目から徐々に広いフェアウエーをイメージしたスイングに変えていく。するとそれがそのままモニターに表れた。ヘッドスピードが上がるが、若干ミート率が下がりサイドスピンが増える。結果1打目と5打目の数値が良かった。
そんなデータを解析したクラブドクターからの診断結果は、ワタシにはMiyazakiモデルが合うというものだった。数値的にそれは明らかで、ヘッドスピードなどの諸条件から導き出された理想値に対する比率がMP900カーボンシャフト84%、Miyazakiシャフト88%だった。この辺をドクターはアイアンとのバランスだと助言してくれた。スチールシャフトのアイアンを使っているワタシには適度な重量感を持つミヤザキモデルがマッチするという理由である。こういったアドバイスを数値とともにハッキリ言葉にしてくれるのはうれしい。
そんなことを考えながらの帰り道。あれだけ緊張なくスッとクラブを振れたのはクラブドクターの笑顔もそうだが、「ゼクシオ ナイン」のなじみやすさが理由だったのかもしれない……と思えてきた。
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※『Nile’s NILE』2016年2月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています