イタリア発信のウオッチブランド「TERRA CIELO MARE(テッラ チエロ マーレ)」。イタリア語で「大地・空・海」を意味する。この3テーマを軸に構成される時計は、実にバラエティー豊か。飛行機の計器をコンセプトにしたデザインや潜水艦のモチーフなど、いずれも男心をくすぐる、ミリタリー感あふれるラインアップである。
「テッラ チエロ マーレ」はエミリオ・フォンタナ氏とジョルジオ・ラトゥアーダ氏によるLA・FO・CE社が2001年に設立したブランド。現在日本やアメリカ、インドネシアなどの計6カ国で展開している。
今年同社が発表した新作は「空」を意味する戦闘機をテーマにしたモデル。一つは1930~40年代のイタリアで活躍した空軍機の「サヴォイア・マルケッティ SM・79」、そしてもう一つが日本人の私たちになじみ深い「零式艦上戦闘機」をイメージしたデザインだ。後者のいわゆるゼロ戦モデルは4代目となる現社長が、飛行機博物館で目にした機体からインスパイアーされたものであり、飛行機への深い愛から誕生した時計でもある。中でも白はく眉び なのが、この2本にあしらわれた3時位置のプレート。サヴォイア・マルケッティ SM・79モデルには同機の愛称でもあった〝3匹のネズミ〟を刻印した当時のエンジンパイプが、そしてゼロ戦モデルには同じく日の丸部分の外板を使用したプレートがあしらわれており、伝説の戦闘機をより身近に感じられる、非常に珍しい意匠が施されている。
また同モデルはレバリーリリースシステムというシステムを採用している。リュウズではなく、ベゼルを回すことで巻き上げと時間調整ができるという、何ともユニークな仕様だ。眺めているだけでも心が弾む、これら2本のタイムピース。自らの限界に挑戦してきた人々の、探求の足跡をも感じさせるクリエーションは、手に取る者の想像力を深く刺激してやまないに違いない。
※『Nile’s NILE』2015年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています