新車をヴィンテージカスタム

英国のバイクの聖地と言われるバーミンガムで生まれたマットモーターサイクルズ。長年ヴィンテージバイクのカスタマイズを手掛けてきたビルダーが、もっと気軽に乗れるバイクを作りたい、と立ち上げたブランドが、今世界で注目を集めている。

Photo TONY TANIUCHI Text Masayoshi Kinugasa

英国のバイクの聖地と言われるバーミンガムで生まれたマットモーターサイクルズ。長年ヴィンテージバイクのカスタマイズを手掛けてきたビルダーが、もっと気軽に乗れるバイクを作りたい、と立ち上げたブランドが、今世界で注目を集めている。

このブランド、デザイン以外にもユニークな点が多々あるが、中でも最も特徴的なのは、125ccクラスから開発を始めたこと。現在、125ccと250ccの二つのクラスを展開しているが、125ccといえばスクーターの独壇場。そんなレンジにあえて切り込み、スクーターとは対照的なクラシカルなスクランブラースタイルに徹する。これこそがマットモーターサイクルズの真髄だ。

バイクらしいフォルムを大切にして、スタイリッシュなだけでなく、取り回しやすく、気軽に乗れる実用的なバイクを真剣に追求する。

英国では、125ccクラスでも高速道路を走行することができるので(残念ながら日本では不可)、日常の行動範囲で使うならばこれで十分、という合理的な判断だと思われる。その上で、たまには少し遠出もしたいという人のために250ccも用意した、ということだろう。

基本的には同じクラスの車両には、同一のエンジンとフレームを使用。価格を抑える工夫を施しながら、職人の手縫いのシートを採用するなどカスタム感の演出にも抜かりがない。

同じデザインのモデルを125ccと250ccで展開するというのも珍しい。ボディーサイズもほぼ同じで、一見しただけでは区別がつかない。

125ccクラスでは、出力不足を補うためのサイズダウンで全体的なフォルムのバランスを崩し、ミニチュアのようになることも多い。しかし、最高速や加速性より、スタイリッシュな雰囲気を重視するという潔い選択を行ったマットモーターサイクルズの車両は、125ccにおいても十分なボリュームがあって美しい。

普段着感覚で乗れる実用的でおしゃれなバイクは、世界中の大人たちが待ち望んでいた新しいジャンル。気軽に自分時間を楽しみたいという人に、おすすめしたい。

●マットモーターサイクルズ 東京ショールーム
TEL 03-5941-7444

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。