東南アジア最大の都市、活気あふれるバンコク。その高層ビル街から2時間足らずのドライブで、タイ東部、ゆったりと弧を描くビーチリゾート、パタヤに着く。1960年代に米軍のレジャー地として、ビーチはもとより歓楽街で知られたが、今ではタイの中所得層ファミリーに人気の健康的なリゾートへと様変わりしている。
バンコクから日帰りできるだけでなく、国際空港からも1時間半という場所にありながら、外国人旅行者は以前ほど多くない。昔の歓楽街というイメージが強いためらしい。が、ロシア人が多く、南にいくとロシア語の標識が増えた。米軍が開発したリゾートがロシア人の逃避地になるとは……歓楽街の女の子たちも今は大柄になって陽気でたくましい。
パタヤ中心部は浜に沿って道路が走っているため、ビーチに続くホテルはないが、今回の発見は、この道路が終わる北端にビーチフロントのホテルがあること。その代表が40エーカーの庭園と二つのビーチを有する「デュシタニ パタヤ」だ。にぎわう通りから一歩入ると、みずみずしい緑に癒やされる静かなトロピカルガーデンが現れる。
このトロピカルガーデンが、ホテル館内の滝の流れるアトリウムの空間まで続く。滝を望むタイレストランで、ホテルの菜園で摘んだ新鮮な野菜やハーブのスパイシーなサラダを作ってもらった。地元のシーフードは浜を望むBBQレストランで。タイ名物でもあるフカヒレは、エシカルな理由で今はメニューにない。