オーダーメイドの免疫療法

自己の免疫力を高め、がん細胞を攻撃する免疫療法の研究・治療に25年以上尽力してきた、新横浜かとうクリニック院長・加藤洋一氏。昨今は日本のみならず、台湾、韓国、中国、マレーシア、ベトナム等アジア圏からも、彼の治療を求めて訪れる。最先端のがん免疫療法とは、そのさらなる可能性とは。加藤氏にその真髄を尋ねる。

Photo TONY TANIUCHI Text Ichiko Minatoya

自己の免疫力を高め、がん細胞を攻撃する免疫療法の研究・治療に25年以上尽力してきた、新横浜かとうクリニック院長・加藤洋一氏。昨今は日本のみならず、台湾、韓国、中国、マレーシア、ベトナム等アジア圏からも、彼の治療を求めて訪れる。最先端のがん免疫療法とは、そのさらなる可能性とは。加藤氏にその真髄を尋ねる。

受付のあるロビーはホテルのように高級感のある落ち着いた空間。 1時間ほどかかる治療も個室で受けられるため、ゆったりとリラックスして過ごすことができる
受付のあるロビーはホテルのように高級感のある落ち着いた空間。1時間ほどかかる治療も個室で受けられるため、ゆったりとリラックスして過ごすことができる。

加藤氏が今、もっとも力を入れているのがSKC免疫検査だ。

「免疫細胞の数とバランス、次に交感神経と副交感神経のスイッチの切り替え、この2点を検査することで、その人の体内の免疫状態を確実に把握でき、がんがなぜ増殖し、転移するかが見えてきます」

加藤氏がそのキャリアをかけて、長年研究を重ねてきたオーダーメイドの免疫療法は、がん以外の病気にも効果を発揮する。
「検査の結果、血中のたんぱく質などから、ほんの小さながんも発見できたり、その人が今後なりやすい病気の情報も得られるため、それに照準を合わせた免疫治療も可能になります。がんならどのがんになりやすいか、糖尿病や血栓の兆候なども分かりますので、生活習慣や食生活の指導も含め、がんができても抑えられる免疫力を維持できるように定期的な検査をしながら経過観察や治療を行っていきます」

加藤洋一氏は台湾の製薬会社Vectorite Biomedical Groupの顧問も務めている。Andy Pan氏と
台湾の大病院や大学にて毎月1~2回免疫細胞療法の講演を行っている加藤氏。台湾の製薬会社Vectorite Biomedical Groupの顧問も務めている。写真は代表のAndy Pan氏と。

働き盛りの40〜50代にとって、がんはもちろん生活習慣病も怖い。加齢や疲労で低下する免疫力を高いレベルに維持することで、そうしたリスクを回避することもできる。

「最近は40〜50代でまだがんなどになる前に、予防的に治療を始める方が増えています。50代の4人に1人は免疫細胞であるリンパ球数が少ない。そして半分以上の方が自律神経失調です。生活習慣や食生活の改善指導に加え、必要に応じてリンパ球を補うと、疲れやすさや不調が回復してきます」

1 2 3
ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。