両モデルの文字板は、一点ずつ職人の手作業で仕上げられ、一つとして同じ表情のものがない。自分だけの逸品を手にする感覚もまた贅沢だ。ゴールドカラーにマット仕上げを施した時分針、そしてゴールドカラーにヘアライン仕上げを施した五徳リングを備え、立体的な奥行きを感じさせながら、視認性もしっかりと確保されている。それぞれ文字板色に合わせた、ワニ革ベルトがセットされた。
この「グランドコンプリケーション」を手にしたなら、やはりミニッツリピーターの音色に耳を傾けてみたい。クオーツゆえに電子音ではありながら、残響音を伴う自然なチャイムの音色にこだわった。20周年の集大成というべきクオリティーを、その音色から、文字板から、外装・仕上げや多彩な機能から、味わいたい。
「カンパノラ」が掲げる「時を愉しむ」というテーマを究極まで追求したモデルにも触れておきたい。「カンパノラ」初となる手巻きトゥールビヨンを搭載した「天」と「地」の2モデルがそれである。22年6月に各限定5本で発表され、以降愛好家からの熱い視線を浴び続けている。