パートナーと銀座で時計を

腕時計を選ぶことは、審美眼や人となりを物語ることでもある。ジャガー・ルクルトという選択肢を、もしパートナーと二人で選んだなら―。メゾンを象徴する男性用と女性用モデルの魅力を改めて紹介しながら、銀座ブティックを夫婦やカップルで訪ねる特別な機会へといざなう。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Yasushi Matsuami

腕時計を選ぶことは、審美眼や人となりを物語ることでもある。ジャガー・ルクルトという選択肢を、もしパートナーと二人で選んだなら―。メゾンを象徴する男性用と女性用モデルの魅力を改めて紹介しながら、銀座ブティックを夫婦やカップルで訪ねる特別な機会へといざなう。

(左)マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン(右)マスター・コントロール・クロノグラフ・カレンダー
(左)ピンクゴールドケースと柔らかみのあるエッグシェル・ベージュの文字盤とのハーモニーが絶妙。6時位置にトゥールビヨンを配した2針仕様も、豊かな時の流れを感じさせる。「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン」自動巻き、ケース径40mm、PGケース×アリゲーターストラップ、5気圧防水、8,756,000円。
(右)12時位置のロゴ下に小窓表示の曜日と月を並べ、3時に30分積算計、6時にムーンフェイズとポインターデイト、9時にスモールセコンドをクラシカルかつ視認性高く配置。実用性とエレガンスを両立させた一本。「マスター・コントロール・クロノグラフ・カレンダー」自動巻き、ケース径40mm、RGケース×アリゲーターストラップ、5気圧防水、3,498,000円。

音楽家として、また、エッセイ『パイプのけむり』シリーズの著者として親しまれた故・團伊玖磨さんに、銀座の「行きつけ」についての取材をしたことがある。葉山にほど近い秋谷の自宅からJRで新橋駅に着くと、なじみのハイヤーで銀座のパイプ店やテーラーなどの「行きつけ」を巡るのが習慣で、夫人を伴われることも多かったという。そんな話をうかがい、“銀ブラ”とは紳士淑女の嗜みと知った。

名だたるブランドのブティックが軒を連ねる並木通りで、そんな“銀ブラ”を楽しむとき、願わくば「行きつけ」にしたい1つに、ジャガー・ルクルトのブティックを挙げたい。老舗ブランドの風格を湛えながら、ひとたび足を踏み入れればホスピタリティあふれる空間が待ち受けている。

ジャガー・ルクルトは、スイスの時計ブランドの中でも1833年創業という屈指の歴史を持ち、「マニュファクチュールの中のマニュファクチュール」と呼びたいほどの技術力を誇る。超複雑な多軸トゥールビヨンやソヌリ機構に至るまで、開発したキャリバーは1200を超える。ジュエリーセッティングやエナメルなど、メティエ・ラールと呼ばれる希少な職人技を駆使した工芸性の高いモデルにも定評がある。

もしブティックを訪ねる機会があったなら、実際に手に取ってみたいモデルがある。まず「マスター」シリーズの2モデル。ジャガー・ルクルトでは100時間にわたり、精度、耐衝撃性、耐磁性などの厳格な社内テストを実施している。

1992年に登場した「マスター・コントロール」は、その認証を経て世に出た最初のものだった。「マスター・コントロール・クロノグラフ・カレンダー」は、その血筋を引く一本。

初めて、クロノグラフと、日付/曜日/月のトリプルカレンダーとを組み合わせ、ムーンフェイズも加えた。シンメトリーの端正なたたずまいが、クラシックな上質さを伝えている。1950年代のモデルを範としたラウンドケースにはグランド・ローズゴールドを採用。パラジウムを含む独自の18K素材で、深い色調と退色しにくい特性も備えている。

「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン」は、無駄を排したエレガンスが印象的な薄型モデル。技術の粋を凝らし、精緻を極めた6時位置のトゥールビヨンが、シンプルさゆえに、かえって魅力を際立たせている。

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。