洗練された魅力にあふれるモデル
1年に1度、3月1日にのみ日付修正すればよい年次カレンダーは、パテック フィリップが1996年に特許を取得して以来、ブランドを代表する機構となり、さまざまなタイプが発表されてきた。が、今回べールを脱いだ「4947/1A」は、ステンレススチール製のラウンド型カラトラバ・タイプという、かつてない仕様のモデルとなっている。直径38mmのケースに、全面ポリッシュ仕上げされたブレスレットをセットし、ブルーの文字盤には、異なる太さの縦糸と横糸で織られた紬風の絹布、山東絹をモチーフとする装飾が施された。性別を問わず使いたい洗練された魅力にあふれたモデルである。
一方で、女性的なエレガンスを象徴するカラトラバ「4997/200」は、2010年に登場し、20年に生産終了となった「カラトラバ4897」の後継というべきモデルである。ギョーシェ装飾のラック塗装文字盤は踏襲しつつ、ケース径を2mm大きい35mmとし、旧モデルの手巻きキャリバーに替えて、超薄型のマイクロローター式自動巻きキャリバー240が搭載された。
文字盤は、微細な放射状の波形模様を施した上から、透明なミッドナイトブルーのラック塗装を何層にも施して完成する。クラフツマンシップの粋を凝らした、デリケートで奥行きのある表情は見飽きることがない。
ここまで紹介してきた全ての新作が、パテック フィリップのクリエーションが今、充実の時を迎えていることを伝えている。
●パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
TEL 03-3255-8109
※『Nile’s NILE』2021年6月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています