パテック フィリップを象徴する一つ「カラトラバ」
微細なピラミッド型のモチーフが連なるクルー・ド・パリ装飾をベゼルに施した、「カラトラバ」は、パテック フィリップを象徴する一つといっていい。
1932年に「カラトラバ96」が誕生した2年後の34年には、このベゼルを備えた「カラトラバ96D」が登場。そのDNAは、85年に登場し20年以上にわたって製作された伝説的な「3919」、そのリニューアル版というべき2006年発表の「5119」などへと、脈々と受け継がれていった。
実はクルー・ド・パリ装飾のモデルは一部の限定モデルを除いて19年以降、製作されていなかった。今回「カラトラバ6119」となってカムバックしたことを歓迎したい。わずかに大きくなった直径39mmのRGケースにシルバー文字盤を配した「6119R」と、WGケースにチャコールグレー文字盤を備えた「6119G」の2バージョンが用意された。
ともにオビュ(弾丸)型の植字インデックスとドフィーヌ型時分針、またカーブしたラグを採用し、往年の「カラトラバ96D」、それに先立つ「96」を彷彿させる。
搭載するのは、新開発の薄型手巻きキャリバー30-255 PSである。安定した強いトルクを生み出すために2個の香箱を備え、65時間のパワーリザーブが実現されている。将来を担う手巻きのベースキャリバーとしても、期待が大きい。
伝統的な美学と先進的なパフォーマンスが統合された新生カラトラバの誕生を祝福したい。