時計史に新たな1ページを開く挑戦
トゥールビヨン・スヴランの誕生から5年後、ジュルヌはその技術を「トゥールビヨン・スヴラン・デッド・セコンド」に昇華。さらに2012年には、スヴラン・コレクションに「クロノメーター・オプティマム」を発表。高精度を担う複数の機構を一つの時計に組み込んだ。
また2006年には、正時を鐘の音で知らせるソヌリ機構とミニッツリピーター機構を組み合わせた「完璧無比のグランソヌリ」とも称すべき「ソヌリ・スヴレンヌ」を発表。独立以来20年にわたって、ジュルヌは時計史に新たな一ページを開く挑戦を、休みなく続けている。
生涯、独立時計師
メカニズムは古典を模範としながらも、今までにない方法で動かす、それが私の時計づくりの美学です。シャネルの資本が入る今後も、自分の好きなものを自由につくり続けます。
2018年は、ラインスポーツに新たなモデルとしてクロノグラフ・モノプッシャーラトラパンテが加わりました。素材はプラチナ、ローズゴールド、チタンの3タイプ。もちろん、自社開発の新ムーブメントを搭載した自信作です。またクラシックラインでは、コレクションをどんどん刷新します。
それと2019年はトゥールビヨン・スヴランの20周年を記念して新しいモデルを出します。あとクロノメーター・レゾナンスが誕生20年を迎える2020年には、より精度の高い複雑なムーブメントを搭載した新モデルのほか、天文時計の複雑さを有したグランドコンプリケーションも発表予定です。
でも私は、将来のモデルについてはあまり考え過ぎないようにしています。頭に浮かんだ新しいプロジェクトに100%の力を注ぎたい。今すでに向こう3~4年の開発計画があるので、その先を考えるのは2年後くらいでしょうか。
生涯、独立時計師。グループ企業に“身売り”する気は毛頭なく、今後も“やりたいことリスト”に従って、技術を追求していきます。私のクリエイティビティーは枯れない泉のようなもの。人生の最後まで働き続けますよ。
●F.P.ジュルヌ 東京ブティック TEL 03-5468-0931