
来場日時の予約によって「並ばない万博」を目指す今回の大阪・関西万博。しかし、事前リハーサルと同様に、開幕初日も入場時などに長蛇の列ができた。さらに、スマートフォンの通信障害により、パビリオンの当日予約ができないトラブルも発生した。
東ゲートでは、午前9時の開場前から多くの来場者が並び、手荷物検査を受けた。混雑を避けるため、来場者は原則としてインターネットで来場日時を指定する必要があり、入場時間は午前9時・10時・11時、正午、午後5時の5つの時間帯に分けられている。
正午の入場を指定していた大阪府枚方市の会社員男性(48歳)は、午後0時15分頃から列に並び始めたが、実際に会場に入れたのは1時間半後の午後1時50分頃だった。
日本国際博覧会協会(万博協会)の幹部によると、開幕日は午後の予約が午前より多かったという。午前中は1時間おきに入場時間が設定されているが、午後は正午から午後5時までの5時間と幅広く、そのため正午に多くの人が集中した可能性がある。
この男性は、「トイレに行きたかったが我慢した。午後も午前と同じように、1時間ごとの入場区分にしてほしい」と、疲れた様子で話していた。
さらに、午前9時半から午後2時半ごろにかけて、スマートフォンの通信障害も発生。多くの来場者が待ち時間中に動画を視聴するなどスマホを一斉に使用したことで、通信回線に負荷がかかったとみられている。
その結果、入場に必要な電子チケットのQRコードが表示できず、混雑をさらに悪化させる恐れがあったため、万博協会はQRコードによる確認を省略し、通過を許可したという。今後は通信環境の改善のため、東ゲートにWi-Fiを設置する方針。
また、各パビリオンでも行列が発生。住友館では予約なしの来場者の待ち時間が3時間を超え、受付を一時停止する事態となった。
なお、13日からは来場日時の予約が不要な「当日券」が発売され、東ゲート前のチケット売り場にも多くの人が列をなした。
(読売新聞)