
4月1日、新年度が始まり、多くの若者が社会人としての第一歩を踏み出しました。それと同時に、職場では中年世代が使う「おじさんビジネス用語」が依然として用いられており、世代間のコミュニケーションの障害になっている可能性が指摘されています。
そこで、新宿駅周辺で新社会人100人に街頭インタビューを実施し、「おじさんビジネス用語」についての認識や印象を調査しました。対象とした用語は以下の10個です。
全員野球(一致団結すること)
一丁目一番地(最優先事項)
鉛筆なめなめ(数字や文章を都合よく調整すること)
寝技(根回しをすること)
ケツカッチン(時間に余裕がないこと)
リャンメン(両面という意味の麻雀用語)
ガッチャンコ(物事を組み合わせること)
音頭を取る(主導すること)
よしなに(「よろしく」の意味)
ツーカー(互いに意思疎通ができる関係)
この調査では、「もっともイタい」「意味不明」「現代では不適切」と感じる用語について意見を聞きました。その結果、多くの若者が「ツーカー」「リャンメン」「ガッチャンコ」を特に違和感のある表現として挙げました。
具体的な意見
「『ツーカー』が一番古臭くてヤバい」(女性)
「『ガッチャンコ』は幼稚な印象を受ける」(男性)
「『ケツカッチン』はバブル時代の言葉みたい」(男性)
「『リャンメン』はなぜ中国語? 日本語でいいのでは?」(男性)
「『鉛筆なめなめ』は響きが気持ち悪い」(男性)
「『寝技』は使い方によってはセクハラっぽく聞こえるかも」(女性)
また、外国人視点では、日本のビジネスシーンで使われるカタカナ語(アサイン、ベンダーなど)のほうが意味が伝わりやすく、「おじさんビジネス用語」は理解が難しいとの意見もありました。
さらに、「鉛筆なめなめ」「寝技」「ケツカッチン」といった言葉に対して、一部の人からは「不適切ではないが、響きがいやらしく聞こえる」という声も上がりました。
ワーストランキング(新社会人100人の回答)
1位 ツーカー(24票)
2位 リャンメン(22票)
3位 ガッチャンコ(14票)
4位 ケツカッチン(11票)
5位 鉛筆なめなめ(10票)
6位 寝技(5票)
7位 全員野球/音頭を取る(4票)
9位 一丁目一番地/よしなに(3票)
「ツーカー」と「リャンメン」が特に不評で、意味がわかりにくい点や響きの違和感が指摘されました。また、「ガッチャンコ」や「ケツカッチン」なども、言葉の古さやイメージの問題から批判的な意見が目立ちました。
この調査から、「おじさんビジネス用語」は若者にとって馴染みが薄く、むしろコミュニケーションの妨げになっている可能性があることが浮き彫りになりました。一方で、こうした用語を使う中年層にとっては長年の習慣でもあり、世代間のギャップを埋めるための工夫が求められるかもしれません。
情報元:集英社オンライン
https://shueisha.online/articles/-/253576