
内閣府は、2月2日に種子島宇宙センターから打ち上げられた測位衛星「みちびき」6号機について、注目すべき取り組みを発表しました。今回の打ち上げに使用された大型ロケット「H3」5号機の先端部には、みちびきの特設サイトにリンクする「QRコード」が印字され、これがSNSなどで話題となっています。このQRコードは、ロケットに印刷されていること自体が珍しく、宇宙ファンやSNSユーザーの間で「なぜロケットに?」という疑問を呼びました。
「みちびき」は、アメリカのGPSに対抗する日本の測位システムで、既に多くのスマートフォンやカーナビに位置情報を提供しています。国内では50種類以上、441品目の製品が「みちびき」のデータを受信可能ですが、内閣府の担当者によると、「多くの人が知らないうちに使っており、みちびき自体の認知度が低いことが課題」とされています。そこで内閣府は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と三菱重工業に依頼し、衛星が格納された「フェアリング」の表面にQRコードを印刷し、特設サイトに誘導する仕掛けを施しました。
打ち上げ前のニュース映像やSNSを通じて、宇宙ファンからはQRコードに対する関心が高まり、「ロケットにQRコードがあるのは初めて見た」といった反応がありました。現在、みちびきは4基が稼働中で、6号機は夏頃から運用を開始します。また、2025年度内に追加で2基が打ち上げられ、最終的に7基体制になります。7基体制になると、日本は米国のGPSなど他国の衛星データに依存せず、高精度な位置情報を独自に取得できるようになります。
内閣府の三上建治・準天頂衛星システム戦略室長は、「QRコードから特設サイトにアクセスした人数は不明だが、SNSで注目されたことは良かった」と安堵の気持ちを示し、さらに「この1年はPRの勝負時であり、みちびきを多くの人に知ってもらい、活用分野を広げたい」と意気込みを語っています。