
東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授は、脳の萎縮を抑え、活性化させるために「趣味」を持つことを勧めています。ジャーナリストの笹井恵里子氏が、どのような趣味がよいのかについて瀧教授に尋ねました。
**好奇心と脳の健康**
認知症は認知機能が低下し、社会生活が困難になる状態ですが、脳には可塑性があり、認知症になっても進行を遅らせることが可能です。特に「知的好奇心」が強い人は脳の萎縮を抑えられることがわかっています。知的好奇心とは、見たい・聞きたい・知りたい・やりたいという意欲を持つことで、これにより脳の健康が維持されます。
**能動的な趣味が効果的**
趣味はどのようなものでも良いですが、受動的なものより能動的なものが望ましいとされています。例えば、音楽鑑賞よりも楽器演奏、スポーツ観戦よりも実際にプレーすることが推奨されます。自分が積極的に関われる趣味を持つことで、好奇心が高まり、認知機能の低下を防げるのです。
**趣味の見つけ方**
趣味がないと感じる人は、「何をしているときが一番幸せか」を考えてみるとよいでしょう。例えば、自然の美しさを楽しむことや、建築・デザインを見ることに幸せを感じる人もいます。子どもの頃に好きだったことを思い出し、それを再開するのも一つの方法です。過去の趣味を再び始めることで、ノスタルジーが幸福感を高め、好奇心が刺激され、脳にも良い影響を与えます。
**趣味をビジネスに活かす**
趣味を単なる楽しみではなく、老後のビジネスとして活用することも可能です。例えば、昆虫採集が趣味なら博物館を作る、ピアノが好きならレッスンを提供するなどが考えられます。しかし、競争が激しい市場では、独自性を持つことが重要です。自分の経験やノスタルジーと組み合わせることで、競争相手を減らし、よりユニークなビジネスモデルを構築できます。
**人生を肯定的に捉える「ストーリーテリング」**
自分の人生を振り返り、他者に話すこと(ストーリーテリング)は、自分の歩んできた道を再認識し、より肯定的に捉えられるようになります。これにより幸福感が高まり、新たな挑戦へとつながるでしょう。どんな人でも、新しい趣味やスキルを始めることができます。小さな一歩から始めることで、半年後には大きく成長した自分に出会えるはずです。