「トイレのふたは閉めてから流してください」。コロナ禍で目にすることが多くなったこの注意書き。果たして、どれほど衛生的なのか。トイレを流した際の飛沫（ひまつ）やウイルスの動向を調べる実験を、産業技術総合研究所（産総研）などの研究チームが行いました。
コロナ禍以降、衛生管理への意識が高まり、さまざまな情報が流れましたが、中には科学的根拠が不明なものもあります。そこで、チームはトイレの使用や衛生管理の注意点を科学的に明らかにしようと実験を実施しました。
実験では、トイレの個室をイメージした密閉ブースに便器を設置。サイホンの原理を使い、強い吸引力で水と排泄物を効果的に洗い流すサイホン式という最も一般的な洗浄形式を採用し、1回で6リットルの水を使うタイプを使用しました。
まず、ふたを開けた状態で流した場合の飛沫やエアロゾル（飛沫の中でも小さい微粒子）を可視化しました。飛沫は最大で40～50センチ飛び上がり、その後落下しました。エアロゾルは空中を浮遊し、小さなものは個室内で数十分漂う可能性があるということがわかりました。
情報元；産業技術総合研究所（産総研）
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20241028/pr20241028.html
