時代の変化を読む心

日本有数の老舗旅館として知られる和倉温泉の「加賀屋」。創業以来お客様に真摯に向き合ってきたおもてなしの心は、時代の変化にもいち早く気付いていた。「加賀屋」では、10年以上も前から分煙化を進めてきた。全てのゲストが心地良く過ごせるよう考えられた空間が、忘れられない旅のひとときを生み出してくれるだろう。

日本有数の老舗旅館として知られる和倉温泉の「加賀屋」。創業以来お客様に真摯に向き合ってきたおもてなしの心は、時代の変化にもいち早く気付いていた。「加賀屋」では、10年以上も前から分煙化を進めてきた。全てのゲストが心地良く過ごせるよう考えられた空間が、忘れられない旅のひとときを生み出してくれるだろう。

「雪月花」のメインダイニング「四季亭」
「雪月花」のメインダイニング「四季亭」。2018年10月のリニューアルを機に、120席ある店舗の中央に喫煙室を新設した。ゲストが利用しやすいよう配慮されている。

また「加賀屋」では、すべてのゲストが心地良く滞在できるよう、10年ほど前から分煙化に取り組んでいる。

これは「愛煙家の方がストレスや肩身の狭さを感じないように」という考えによるもの。近年、日本でもパブリックスペースや屋内での禁煙化が進む中、20年4月からは改正健康増進法の全面施行によって、今まで以上に喫煙できる場所が制限される。とくに屋内は、喫煙室以外での喫煙が原則禁止となった。

「能登本陣」の1階に設置された喫煙室
「能登本陣」の1階に設置された喫煙室。畳ベンチや障子、土壁など和の意匠を取り入れたくつろぎの空間としている。人の行き来が多い場所なので、扉にはすりガラスを採用。

こうした状況の中、新たに喫煙室を設置しなければならないケースも多いと予測されているが、すでに「加賀屋」では館内4カ所に喫煙室を用意。特別階「浜離宮」の宿泊客専用ラウンジ「雪月花倶楽部」内、「雪月花」のメインダイニング「四季亭」内、宴会場やコンベンションルームのある「雪月花」の4階、「能登本陣」の1階と、いずれもアクセスが容易で分かりやすいパブリックスペースを設置場所に選んでいる。

喫煙室ごとに異なるが、テレビを設けたり、客室をイメージさせる和のしつらいを取り入れるなど、ゲストが快適な空間でリラックスしてくつろげるよう、さまざまな工夫が見られる。さらに清掃は約1時間ごとに行うなど、衛生面にも配慮。愛煙家の目線に立ち、喫煙者が心地良く過ごせる環境を整えている。

たばこを吸う人も吸わない人もストレスなく滞在を楽しめる空間を目指し、時代が求める変化にいち早く対応してきた「加賀屋」。こうした分煙に対する取り組みからも、創業以来変わることのないゲストへのおもてなしの心が感じられる。

●和倉温泉 加賀屋
TEL 0767-62-4111

※『Nile’s NILE』2020年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。