また「加賀屋」では、すべてのゲストが心地良く滞在できるよう、10年ほど前から分煙化に取り組んでいる。
これは「愛煙家の方がストレスや肩身の狭さを感じないように」という考えによるもの。近年、日本でもパブリックスペースや屋内での禁煙化が進む中、20年4月からは改正健康増進法の全面施行によって、今まで以上に喫煙できる場所が制限される。とくに屋内は、喫煙室以外での喫煙が原則禁止となった。
こうした状況の中、新たに喫煙室を設置しなければならないケースも多いと予測されているが、すでに「加賀屋」では館内4カ所に喫煙室を用意。特別階「浜離宮」の宿泊客専用ラウンジ「雪月花倶楽部」内、「雪月花」のメインダイニング「四季亭」内、宴会場やコンベンションルームのある「雪月花」の4階、「能登本陣」の1階と、いずれもアクセスが容易で分かりやすいパブリックスペースを設置場所に選んでいる。
喫煙室ごとに異なるが、テレビを設けたり、客室をイメージさせる和のしつらいを取り入れるなど、ゲストが快適な空間でリラックスしてくつろげるよう、さまざまな工夫が見られる。さらに清掃は約1時間ごとに行うなど、衛生面にも配慮。愛煙家の目線に立ち、喫煙者が心地良く過ごせる環境を整えている。
たばこを吸う人も吸わない人もストレスなく滞在を楽しめる空間を目指し、時代が求める変化にいち早く対応してきた「加賀屋」。こうした分煙に対する取り組みからも、創業以来変わることのないゲストへのおもてなしの心が感じられる。
●和倉温泉 加賀屋
TEL 0767-62-4111
※『Nile’s NILE』2020年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています