冷蔵庫の未来像

ドイツのハイエンドブランド、ガゲナウの新作冷蔵庫が日本初上陸を果たした。冷蔵庫や冷凍庫、ワインセラーを自在に組み合わせられる最新モデルは、美しさと機能を極限まで追求。キッチンに自然に溶け込みながら、圧倒的な存在感を放ち、暮らしを特別な体験へと変えていく。

Text Kiyo Sato

ドイツのハイエンドブランド、ガゲナウの新作冷蔵庫が日本初上陸を果たした。冷蔵庫や冷凍庫、ワインセラーを自在に組み合わせられる最新モデルは、美しさと機能を極限まで追求。キッチンに自然に溶け込みながら、圧倒的な存在感を放ち、暮らしを特別な体験へと変えていく。

家具のように美しく、プロ仕様の性能を備えるガゲナウの最新冷蔵庫。ブラックステンレスやアルミを駆使した庫内が、柔らかなLEDの明かりによって浮かび上がる。

キッチンは単なる調理を行う場ではなく、家族や友人と交わり、食を通じて時間を共有する特別な空間。だからこそ、そこに置かれる調理機器には優れた性能はもちろん、空間を引き立てる存在感が求められる。とりわけ冷蔵庫は常に視界に入り、日々の食材を守るという役割からもその存在は格段に大きいだろう。

ヨーロッパでは多種多様な調理器具をビルトイン化し、キッチン扉と同素材で仕上げるのが主流だが、ドイツ生まれのハイエンドブランド、ガゲナウはその先駆けとなった存在だ。冷蔵庫や食器洗浄機までもハンドルレスで仕上げ、キッチンを一つの家具のように見せる美学を徹底している。

そのガゲナウが2024年の「ミラノ・サローネ」で発表した最新作となる冷蔵庫が、今年7月に待望の日本初上陸を果たした。冷蔵庫や冷凍庫、ワインセラーを自由に組み合わせられる「Vario Cooling 400シリーズ」の上位モデルだ。“家具デザイン”の発想を取り込んだ同製品は、洗練されたたたずまいと圧倒的な機能美を兼ね備え、家庭用調理器具の常識を覆すガゲナウの哲学を見事に体現している。

大きく刷新されたポイントは「照明」「素材」「鮮度保全システム」。扉を開ければ、まぶしさを抑えた柔らかなLEDの間接光が食材一つひとつを美しく浮かび上がらせる。光と影が織りなす庫内は、冷蔵庫という日常の存在を静謐(せいひつ)で特別なものへと変貌(へんぼう)させる。開閉アシストや閉め忘れ防止といった細部の配慮も抜かりがない。

素材にはヘアライン処理を施したブラックステンレスを採用。指紋がつきにくく、マットで上質な質感が触れるたびに心地良さを伝える。ポケットには保温性に優れたアントラサイト色のソリッドアルミニウムを使用。ガラス棚や引き出しといったディテールにも同社の美学が息づく。

さらに進化を遂げたのが、温度・湿度管理を徹底したプロ仕様の鮮度保持システム。フルワイドのチルドドロワーと湿度コントロール機能付きの二つのフレッシュクライメートドロワーを備え、最新のTFTタッチディスプレイから「生肉」「鮮魚」「野菜」モードを直感的に選択できる。劣化の原因となるエチレンガスを除去するフィルターを搭載し、食材に応じた理想の環境を整えながら、おいしさを損なうことなく長期保存が可能だ。これらに加え、「ダイナミック冷却」「自動霜取り機能」など多彩な機能が装備され、性能のすべてが最高水準に仕上げられている。扉材はこれまでと同様、キッチンのデザインに合わせて自由にカスタマイズが可能。来年には冷凍庫やワインセラーの新バリエーションも登場し、暮らしのシーンに合わせて拡張できるのも魅力だ。

キッチンに自然に溶け込みながらも、空間全体をラグジュアリーに格上げする存在。単なる保存機器を超えて、暮らしをより上質なものへと昇華させる逸品といえる。

●ガゲナウ 東京ショールーム
TEL 03-5545-3877

※『Nile’sNILE』2025年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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