スポーツカーと暮らす

ジョギングやヨガで汗を流すと、すっきりとした気分になる。同様に、上質なスポーツカーをドライブすると、体の内側から活力が湧いてくる。フランス生まれのアルピーヌA110は、「スポーツカーと暮らす」というライフスタイルを提案してくれるクルマだ。

Text Takeshi Sato

ジョギングやヨガで汗を流すと、すっきりとした気分になる。同様に、上質なスポーツカーをドライブすると、体の内側から活力が湧いてくる。フランス生まれのアルピーヌA110は、「スポーツカーと暮らす」というライフスタイルを提案してくれるクルマだ。

スポーツカーと暮らす、アルピーヌ
アルピーヌA110 R
70はブランド創立70周年を記念したモデルで、770台が限定生産される。車体の各部にカーボン素材を採用、車両重量1090㎏という軽量化を実現した。また、専用のエアロパーツなどで空力性能も向上している。

アルピーヌA110 R 70
ボディー:全長4255×㎜×全幅1800×全高1240㎜
エンジン:1.8ℓ直列4気筒ターボ
最高出力:300ps/6300rpm
最大トルク:340Nm/2400rpm
駆動方式:MR(ミッドシップ・リアドライブ)
トランスミッション:7速DCT
価格:17,900,000円

スポーツカーと聞くと、サーキットを走ったり、ワインディングロードでタイヤを鳴らすような乗り方を思い浮かべるかもしれない。もちろん、そうした用途にも耐え得るのがスポーツカーではあるけれど、それだけではない。

たとえばスポーツジムに通ったり、ジョギングを楽しむ人のすべてが、本格的なアスリート志向というわけではないだろう。ストレス解消やリフレッシュを目的に行っている人も多いはずだ。

同じように、走ることに特化したスポーツカーは、ドライブしていると爽快な気分になるクルマだ。意のままに加速し、思い描いたラインで曲がるから、ハンドルを握っていると気分が上がる。

もう一つ、たくさんの人や荷物を積載するという制約から解放されるスポーツカーは、デザイナーが理想とする美しさを表現できるプロダクトでもある。

ハンドルを握っても、ただ眺めているだけでも気持ちを豊かにしてくれるスポーツカーには、暮らしのよき相棒という側面もあるのだ。

では、生活をともにするスポーツカーにふさわしいのは、どのようなモデルなのだろうか。巨大なボディーに大排気量のエンジンを積むモンスターは、トゥーマッチだろう。ほどよいサイズ感で、なおかつ本格的なメカニズムを採用しているモデルということにより、有力な候補として挙げられるのが、ここに紹介するアルピーヌA110だ。

このクルマのポイントの一つとなるのが、F1マシンと同じようにエンジンをドライバーの背後に搭載する、ミッドシップと呼ばれるレイアウトを採用していることだ。重量物のエンジンを車体の中心に配置することで、ミズスマシのようにすいすいと走る、軽快なフットワークを実現している。

1955年にフランス・パリで発表された第1号車のアルピーヌA106以来、このブランドの柱となっているのがモータースポーツだ。70年代にはWRC(世界ラリー選手権)やル・マン24時間レースを制覇し世界の頂点を極め、現在もF1で活躍している。アルピーヌは、100分の1秒を削る究極のバトルで得たテクノロジーを、市販のスポーツカーに注入しているのだ。

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    ルーフアーチをボディーと同じ色にすることで、アルピーヌA110の流麗なフォルムをさらに際立たせた。
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    10色のボディーカラーと4色のアルカンターラのシートが用意され、内外装を自由に組み合わせられる。
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    ブランド創立70周年を記念したもう1台が、アルピーヌA110 GTS。アルピーヌA110 Sのスポーツ性能と、アルピーヌA110 GTのグランドツアラーとしての快適性が融合している。

    アルピーヌA110 GTS
    ボディー:全長4205×全幅1800×全高1250㎜
    エンジン:1.8ℓ直列4気筒ターボ
    最高出力:300ps/6300rpm
    最大トルク:340Nm/2400rpm
    駆動方式:MR(ミッドシップ・リアドライブ)
    トランスミッション:7速DCT
    価格:12,000,000円
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そして、この伝統を受け継ぎ、モータースポーツ由来のノウハウにさらに磨きをかけて開発したのが、ブランド創立70周年を記念して登場した770台限定のアルピーヌA110R70だ。ボディー各部やホイールをカーボンにすることで軽量化を図り、エンジンの出力アップに合わせて足まわりも引き締めた。

アルピーヌというブランドの70年の歴史をぎゅっと凝縮したモデルであり、ラインアップの中でも特にスポーティーな「R」というグレードの最終進化形でもある。走る楽しさ、見る喜びに加えて、歴史の節目に立ち会うこともできる貴重なモデルで、将来「クラシック」と呼ばれるのは間違いないはずだ。

「暮らしのよき相棒」という観点で、「R」よりもう少しカジュアルにスポーツカーのある生活を楽しみたい方にお薦めするのが、アルピーヌA110 GTSというモデルだ。

このモデルの特徴は、ピュアなスポーツカーの楽しさと、普段使いの快適性が高い次元でバランスしていること。実は、乗り心地のよさもアルピーヌの伝統である。というのも、天候によって路面コンディションがころころ変わるラリーやル・マン24時間レースでは、しなやかな足まわりでないと勝てないからだ。つまり、強いクルマは快適なクルマでもある。はたしてこのクルマもまた、しっとりとした乗り心地を提供してくれる。

都市部に買い物に出掛けたり、二人分の荷物を積み込んでパートナーと旅行に行くような使い方がメインであれば、むしろA110 GTSのほうが好適かもしれない。

そして街中でも旅先の大自然の中でも感じるのが、このクルマのデザイン性の高さだ。派手に飾るわけでない、アンダーステイトメントなデザイン表現で、抑制の利いた美しさは外観だけでなく、内装にも通じている。

このクルマのデザインに触れていると、フランス語の「BCBG(ボンシック ボンジャンル)」という言い回しを思い出す。上流階級のシックな暮らしを意味する言葉で、やはりかっ飛ばすだけでなく、生活をともにしたくなるスポーツカーであることを改めて感じる。

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    新色5色を含めて27色ものボディーカラーが用意されることもアルピーヌA110 GTSの大きな特徴となる。
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    グレーまたはブラックのSABELT製レザーシートを標準装備。バケットシートのオプションも設定される
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    エアロパーツやエグゾーストシステムなどのオプションが豊富に用意され、仕立てる楽しさも味わえる。
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●アルピーヌ コール
TEL 0800-1238-110

※『Nile’s NILE』2025年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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