特に最高峰の客室である「匠(たくみ)」では、傾斜のある地形を生かして3層で構成された385㎡の空間に、7名の作家の作品をぜいたくにディスプレー。内風呂や露天風呂に加えて、二つのプール、サウナ、岩盤浴、パーティールームを備え、自然とアートを最大限に生かした空間構成により、これまでにない上質な滞在を体現している。
そして、ゆったりと流れる時間のなかで、心身にさらなる癒やしをもたらしてくれるのはやはり、箱根の名湯だろう。「エスパシオ 箱根迎賓館 麟鳳亀龍(りんぽうきりゅう)」では、さまざまな泉質や効能を誇る箱根七湯のなかでも希少な堂ヶ島温泉を独占している。この堂ヶ島温泉は、約700年前に臨済宗の高僧である夢窓国師が発掘したと伝わる由緒ある温泉。堂ヶ島の名は、渓谷に浮かぶ島のようだった温泉場の形状からつけられたといわれ、その歴史がエスパシオによる現代のサンクチュアリに受け継がれているのだ。谷底の静寂のなかに湧き出る唯一無二の湯を楽しめるのは、このサンクチュアリを訪れた者のみ。源泉に何も注入することなく純度100%のままでかけ流される湯を、プライベート空間で思うままに堪能してほしい。
食事ももちろん、客室内のプライベートな環境で肩ひじ張らずにリラックスしていただける。豊かな自然の恵みを生かしたこの地ならではの料理を監修するのは、ミシュラン一つ星を獲得している京都の名店「富小路やま岸」だ。夕食はだんらんを彩る鍋料理を中心としながら、「富小路やま岸」の代名詞である「雲丹(うに)ドック」を料理人がその場で包んで供するなど、遊び心を添えたもの。さらに世界で「Sake Sommelier」として活躍する赤星慶太氏が、日本酒のペアリングを監修。料理と酒だけでなく器との取り合わせも熟考し、入手困難な酒なども織り交ぜながら、一皿一皿を深く味わえるぜいたくな食体験をかなえてくれる。そして朝食は、親しい友人の家でもてなされているような温かさが凝縮している。なかでも、箱根周辺の名産品であるかまぼことわさび漬けの食べ比べや、希少なブランド卵「たまゆら琥珀(こはく)」の卵かけご飯に特製のいくら漬けトッピングは、スタッフとのコミュニケーションも生まれる人気のメニュー。コンセプトである「箱根に抱かれる邸宅」の醍醐味にあふれ、心から満足できるひとときになるだろう。