身につけるものはシンプルでいい。けれど、バッグにはこだわりたい。そんな気分にぴったりの選択肢が、ベルギー発祥の老舗レザーグッズブランドとして知られるデルヴォーの新作トート「Lʼ Ai r ess(レアレス)」だ。飛行機のように美しい「翼」を広げたフォルムが特徴的である一方、翼部分をシーンに応じて内側に折りたたみ、コンパクトに見せることも可能。内側がちらりと見える窓のようなパーフォレーテッド加工が、軽やかでありながらモダンで象徴的なインパクトを放つ。創造の自由と限界のないラグジュアリーを追求するデルヴォーならではと言える、限りなく実用的なトートを建築的なデザインへと大胆に進化させた魅惑的なバッグである。
デルヴォーは1829年にブリュッセルで創業。以来、世界最古のラグジュアリーレザーグッズメゾンとして、数々の傑作を世にもたらしてきた。1908年には、レザーハンドバッグとして世界で初めて意匠登録を出願。現代のハンドバッグの生みの親として知られるゆえんとなっている。1883年にはベルギー王室御用達となり、パリのサントノーレ通り、ロンドンのニューボンドストリート、ニューヨークの五番街など、世界各国の代表都市に60のブティックを展開し、ベルギーの文化と価値観を発信し続けている。
今回の新作「レアレス」は、1946年に空の旅のためのバッグとして世界で初めて特許を取得した、デルヴォーの革新的なスーツケース「Avia Airess(アヴィア エアレス)」にインスピレーションを得て生まれた。しなやかでエレガントなレザーの外装を持つ「アヴィアエアレス」は、高い耐久性と羽のような軽やかさを併せ持つジュラルミン製のフレームに、幾何学的な円形のパーフォレーテッド加工を施した、独創的な構造が特徴。戦後の解放感が漂う社会において、空の旅に憧れを抱き始めた人々の唯一無二の選択肢となった。そしてこのときからデルヴォーは、イノベーションの最先端に立ち続け、スピードと洗練されたライフスタイルを楽しむ世界に、これまでにない新しい価値観を生み出してきたのである。
センシュアルなトリヨンレザーを使用した「レアレス」は、日常用としては十分な大きさを持つMMサイズと、さらに大きなGMサイズの2サイズを展開。必要なものをさっと詰めて、どこにでも持って飛び立てる、現代人のライフスタイルにマッチしたモダンで軽やかな雰囲気が魅力だ。堅実かつ印象的なたたずまいと、落ち着いた優しさと控えめさを併せ持つ、男性らしさと女性らしさをシームレスに融合させたユニセックスなデザイン。他にはない独特なラインと大胆なバランス、遊び心のあるパーフォレーテッド加工に、デルヴォーならではの冒険心とパイオニア精神が表れている。
いつものスタイルが、このバッグで決まる。そんな頼れる相棒として、デルヴォーの「レアレス」を愛用してみてほしい。
●デルヴォー
TEL 03-6432-9125
※『Nile’s NILE』2024年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています