このコンセプトを踏襲するのは水庭だけではない。レストランでは、新進気鋭のシェフ・千葉拓海氏が手がけるフレンチスタイルの食事が提供されるが、厳選された食材はもちろん地元産。栃木県、特に那須地域では酪農も畜産も盛んであり、野菜もおいしい。その土地でとれた新鮮な食材をその土地で食べる。ここにも、いのちの循環がある。
オーベルジュでは、1棟ごとに分れたスイートヴィラに宿泊可能。約68㎡の室内と約14㎡のテラスからなる客室には無垢材が使用されており、一歩足を踏み入れるとふわりと木の優しい香りが鼻腔をくすぐる。ヴィラが建設されているエリアがあるのは、里山のような地形。小川に向かって傾斜するその土地は、もちろん無理に切り崩したりせず、そのまま生かす。スキップフロアの室内は広々として、吹き抜けた開放感が特徴的だ。那須連山に囲まれたこの地で育まれる上質な天然水は、客室でも使用されている。半露天使用の風呂で楽しめるやわらかなピュアウォーターの湯ざわりは、大きな魅力の一つといえよう。
ありのままの自然に癒やされ、ありのままの自分に還る。そんな豊かなホテルステイを、ぜひ体験したい。
那須 無垢の音
TEL 0287-73-8122
※『Nile’s NILE』2024年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています