世の中の「不」を解消するために

SDGs×企業 第24回
世の中の「不」を解消するために

使用済み化粧品容器を直営店舗にて回収し、資源活用する「FANCL リサイクルプログラム」を実施するファンケル。プラスチック問題に取り組みながら、障がい者雇用を推進する特例子会社と協同することでダイバーシティー&インクルージョンにもつなげた独自の活動の背景には、世の中の「不」を解消したいという創業当時からの想いが込められている。

Text Rie Nakajima

SDGs×企業 第24回
世の中の「不」を解消するために

使用済み化粧品容器を直営店舗にて回収し、資源活用する「FANCL リサイクルプログラム」を実施するファンケル。プラスチック問題に取り組みながら、障がい者雇用を推進する特例子会社と協同することでダイバーシティー&インクルージョンにもつなげた独自の活動の背景には、世の中の「不」を解消したいという創業当時からの想いが込められている。

SDGs企業、ファンケル、世の中の「不」を解消するために
直営店に置かれた回収のための専用ボックス。店頭での購入時にプログラムへの想いに共感してもらい、回収へとつなげられるのが強み。

1981年、「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」という理念のもと設立されたファンケル。

当時は化粧品による肌トラブルが社会問題となっており、「使う人の肌を美しくする本物の化粧品を」という想いから、同社ならではの無添加化粧品を生み出した。

現在、ファンケルが取り組んでいるのが、プラスチック問題の解消のためのリサイクルプログラムだ。同社のサステナビリティ推進室は、「化粧品の容器ボトルは、他のプラスチック製品と異なり、リサイクルが容易ではない。だからこそ、再び化粧品のボトルにリサイクルすることを目指す」と述べている。2021年7月に開始された「FANCL リサイクルプログラム」では、人気商品の容器を回収し、それを協力会社と共同で植木鉢などのアイテムにアップサイクルし、横浜市内の学校やイベントに寄贈している。

このプログラムは、障がい者雇用を推進する特例子会社のファンケルスマイルも関与している。従業員からは、「環境保全の取り組みに参加できてうれしい」との声が上がっている。また、リサイクルした植木鉢を小中学校に寄贈することで、環境教育の一環としても取り組んでいる。

しかし、実現には課題もあった。使用済みの容器がゴミ扱いされるため、各自治体との調整が必要だった。そのため、段階的に直営店舗で実施し、認定を取得する際には各自治体からの了承を得る必要があった。

「当社のこうした取り組みに共感していただける方が増え、一人ひとりができるところから環境保全に取り組んでいただけるようになれば、と思って日々活動しております」

自分たちの手で一つひとつ、世の中の「不」を解消する―。ファンケルの創業時からの活動は、これからも続いていく。

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    ファンケルのサステナビリティ推進室サステナビリティ戦略推進グループの今道喜美さん。
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    横浜市などの緑化イベントや小中学校に寄贈された植木鉢。
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    イメージ図解も使用して取り組みについてわかりやすく解説している。
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●ファンケル
TEL 0120-34-2222


www.fancl.jp/recycleprogram


※『Nile’s NILE』2024年2月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。