1981年、「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」という理念のもと設立されたファンケル。
当時は化粧品による肌トラブルが社会問題となっており、「使う人の肌を美しくする本物の化粧品を」という想いから、同社ならではの無添加化粧品を生み出した。
現在、ファンケルが取り組んでいるのが、プラスチック問題の解消のためのリサイクルプログラムだ。同社のサステナビリティ推進室は、「化粧品の容器ボトルは、他のプラスチック製品と異なり、リサイクルが容易ではない。だからこそ、再び化粧品のボトルにリサイクルすることを目指す」と述べている。2021年7月に開始された「FANCL リサイクルプログラム」では、人気商品の容器を回収し、それを協力会社と共同で植木鉢などのアイテムにアップサイクルし、横浜市内の学校やイベントに寄贈している。
このプログラムは、障がい者雇用を推進する特例子会社のファンケルスマイルも関与している。従業員からは、「環境保全の取り組みに参加できてうれしい」との声が上がっている。また、リサイクルした植木鉢を小中学校に寄贈することで、環境教育の一環としても取り組んでいる。
しかし、実現には課題もあった。使用済みの容器がゴミ扱いされるため、各自治体との調整が必要だった。そのため、段階的に直営店舗で実施し、認定を取得する際には各自治体からの了承を得る必要があった。
「当社のこうした取り組みに共感していただける方が増え、一人ひとりができるところから環境保全に取り組んでいただけるようになれば、と思って日々活動しております」
自分たちの手で一つひとつ、世の中の「不」を解消する―。ファンケルの創業時からの活動は、これからも続いていく。
●ファンケル
TEL 0120-34-2222
www.fancl.jp/recycleprogram
※『Nile’s NILE』2024年2月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています