“ホテルではない”という意味のブランド名を掲げる「NOT A HOTEL」。では、一体何なのだろうか? 簡単に言うと「ときにはホテルにもなる別荘」なのだが、もちろん別荘とも大きく異なる。そんなこれまでになかった新たなスタイルの滞在拠点が、今、注目を集めている。
まず通常の別荘と異なるのは、年間に滞在したい泊数分のみの所有権を購入できる点。
「NOT A HOTEL」では10泊単位で購入可能なシステムを導入している。別荘を所有していたとしても、その利用日数は思いのほか少ないもの。複数人でシェアして実際の利用想定日数分だけ購入すれば、無駄なコストを抑えることができる。それでいて所有権は保証され、不動産資産としての売却や相続も可能なのだ。
さらに特筆すべきなのは、ロケーションと建築の一つひとつがほかにはない素晴らしいものであること。
谷尻誠氏・吉田愛氏が率いるサポーズデザインオフィスや藤本壮介氏といった話題の建築家に加え、脚本家の小山薫堂氏、ファッションデザイナーの相澤陽介氏など幅広いクリエーターにより、土地の魅力を生かした心地良い空間を提供。
森とつながるリビングや絶景に浮遊するプール、焚き火を囲むテラス、木々に囲まれた寝室など、環境を生かした唯一無二の空間が堪能できる。それらの名建築を自分のものとして所有することは、シェア別荘でなければなかなか実現できないだろう。
しかしながら、所有権を分割するだけでは一般的なシェア別荘と大きくは変わらない。「NOT A HOTEL」の何が新しいのかというと、権利を持ちながらも利用しなかった分を貸し出せるところ。
共通ルールに則って自分の利用日を指定しておけば、空いている日は自動的にホテルとなり、オーナーにはその分の収益が支払われる。しかも、滞在希望者の有無にかかわらず、収益は一定の額を受け取ることができるのだ。