シャトー・オー・ブリオンのみならず、五大シャトーに続く明確な六番目シャトーとも言われるシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンを擁するのが、前述のドメーヌ・クラレンス・ディロンである。クラレンドルは、その特級シャトーの血統を受け継ぎながら、「手軽に楽しめるボルドー」を目指して誕生した。
その一流の証しは随所にある。
地元ワイン生産者と長期的なパートナーシップを結び、クオリティーの高いワインをボルドー全域から厳選。複雑なブレンドの基礎となる、さまざまな特徴を持つ風味豊かなワインが取りそろえられている。
これらのワインはドメーヌ・クラレンス・ディロンで精鋭チームのサポートを得てナタリー・バソ・ドウォーキンがブレンド。画一的なレシピはなく、「バランス、エレガンス、複雑さ」をモットーに緻密なブレンドを行う。そして熟成の頃合いを見極め、飲み頃になって初めてリリースされる。手軽なボルドーを目指すクラレンドルでは、販売店に並ぶボトルはすぐに楽しめるようにと考えられている。
ボルドーのぶどう畑から私たちの手元のグラスに注がれるまで、妥協のない製法と品質管理が徹底されているのである。
こうして完成するクラレンドルは、「サヴォア・フェール(職人の叡智 )」と「アール・ド・ヴィーヴル(生きることは芸術である)」を、伝統と現代的な表現の微妙なバランスを取りながら体現している。