爽やかな風に吹かれながら本を読んだり、星空を見上げながら温かな食事に舌鼓を打ったり。アウトドアライフの魅力は、何と言っても自然に包まれる心地よさにあるが、どのように楽しんだらいいのか分からないという人もいるのではないだろうか。1914年創業の老舗アウトドアブランドであるogawaの直営コンセプトストアに、そのヒントが隠されている。国産キャンプテントのリーディングカンパニーが提案するのは、誰でも気軽に入れるアウトドアコンセプトカフェ。「GRAND lodge 小平」の2階に「GRAND lodge CAFE」がオープンし、話題になっている。
「ショップにもテントをディスプレイしていますが、その中で食事をしてみたいというご要望が多くありました。テントで食事をするとどのように感じられるのかをご紹介しながら、アウトドアライフを疑似体験していただけます。キャンプの経験がない方にも興味を持っていただければと考えました」と、マネージャーの小室徳之氏。店内にはさまざまなデザインのテントやシェルター、タープが配されている。ハンモックやスクリーンタープへの映像投影など、子どもが喜びそうな仕掛けも用意。キャンプ気分を体験できるユニークなカフェである。
新作テントを発売する際には、カフェでも紹介するという。ogawaのテントの良い点は、日本の気候を考慮した造りにある。気温や湿度の高い夏でも過ごしやすいようメッシュを多用することで風通しを確保し、快適さを追求している。このカフェはテントの居住性を体感できる機会でもある。個室のような感覚でくつろげる空間で、ゆったりとした時間を過ごせるだろう。
テーブルやイス、体を包み込むような柔らかなソファ。美しくコーディネートされたテントには、キッチンや薪ストーブまでそろうが、ここにあるものはすべてアウトドア仕様だ。自社製品以外にも、プロの目で選んだ機能美あふれるアイテムを取り扱っている。
食事もアウトドアを意識し、グランドメニューは、Tボーンステーキやラムチョップ、魚のホイル焼き包みなどを用意。ランチでは、カレーやガパオライスと言ったカフェメニューの他、バンズから手作りというこだわりのogawaバーガーなどがそろう。小室氏によれば、「アウトドア料理は自宅での下ごしらえがポイント」。そのアイデアを紹介するため、カフェではメニューにある料理のレシピを提供してくれる。限られた道具で、いかに手早くおいしい食事を作るか、その手順を考えることもアウトドアライフの醍醐味だろう。
カフェで使用しているキャンプグッズの一部は、1階のショップで購入できる。お気に入りのグッズを持って、まずは近くの公園でピクニック。そして、河川敷のバーベキュー、森や海でのキャンピングへ。カフェでの体験をきっかけに、アウトドアの世界を楽しみたくなるかもしれない。
●GRAND lodge CAFE TEL042-452-5367
※『Nile’s NILE』2019年2月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています