日常に喜びを添える上質なデザイン

120年近い歴史を誇るデンマークのラグジュアリーライフスタイルブランド、ジョージ ジェンセン。今回は同ブランドを象徴する「ブドウ」をモチーフにしたプロダクトを紹介する。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Asuka Kobata

120年近い歴史を誇るデンマークのラグジュアリーライフスタイルブランド、ジョージ ジェンセン。今回は同ブランドを象徴する「ブドウ」をモチーフにしたプロダクトを紹介する。

ジョージジェンセンのボウル
1918年から変わることなく作り続けられている「グレープ」コレクションのボウルは4サイズで展開。歴史に裏付けられた同ブランドのクラフツマンシップで丹念に仕上げられている。「ボウル263B」1,056,000円。

日常の何気ない瞬間を特別なシーンとして彩ってくれるジョージ ジェンセンのプロダクト。デンマークのラグジュアリーライフスタイルブランドとして知られる同ブランドでは、ジュエリーを中心にウォッチ、ホロウェア、カトラリーなど幅広いコレクションを展開し、世界中で愛されている。どこまでもシンプルで普遍的なフォルムながら、さりげないデザインに個性と愛着が感じられるそれらの魅力は、まさに北欧ブランドならではだ。

1904年、優れたシルバースミス(銀細工職人)であり、デザイナーでもあったジョージ・ジェンセン氏が、デンマーク・コペンハーゲンで創業。「日常を豊かにする芸術品」として生み出された、洗練されたシルバー製品は、それまでにない独自のスタイルとして注目を集めた。ジェンセン氏は、多くのアーティストと積極的にコラボレーションすることでより芸術性に優れたプロダクトを世に送り出すと同時に、卓越したクラフツマンシップを継承。創業時のポリシーは現代でも変わらず、暮らしの中に喜びを感じさせる美しい製品を提案している。

そんな同ブランドが特に大切にしているモチーフの一つに「ブドウ」がある。古来ヨーロッパにおいてブドウは、繁栄・豊穣の象徴とされてきたもの。アールヌーボーの潮流があった1918年、ジェンセン氏は弟子でありパートナーであったハラルド・ニールセン氏とともにブドウをモチーフにした「グレープ」コレクションを生み出した。その中でも脚部にブドウをあしらったボウルはエレガントなデザインで、シルバーにあえていぶし仕上げを施すことで立体感を表現。このボウルが、ジョージ ジェンセンが世界に知られるきっかけとなり、以後、同ブランドの象徴として現在まで生産・販売され続けている。

ジョージジェンセンのネックレスとピアス
2021年春夏に新たに加わった「ムーンライト グレープ」のネックレス。小ぶりなブドウの実をモチーフにした非対称に並ぶビーズが躍動感を与える。「ネックレス」YG×ダイヤモンド(0.62ct)1,540,000円。ブドウの房のように並ぶデザインが美しい「ムーンライト グレープ」のロングピアスは動きに合わせてエレガントに揺れる。「ロングピアス」YG×ダイヤモンド(0.07ct)319,000円。

その伝統あるモチーフのブドウを現代のライフスタイルに合わせて抽象的に捉えてモダナイズしたジュエリーコレクションが「ムーンライトグレープ」だ。当時、ジェンセン氏が「シルバーの優しい輝きはデンマークの月明かりのよう」と例えたことからその名が付いた。

これまで幅広いデザインをそろえてきた同コレクションだが、2021年春夏シーズンでは少し小ぶりになったブドウの実が優しいきらめきを放つ新作を追加。

昨年から加わったイエローゴールドシリーズに新たなアイテムを加える一方、日常的に使いやすいシルバーのシリーズにも華奢なデザインを展開。鎖骨のラインにフィットするネックレスや、ブドウの房をイメージさせるエレガントなロングピアスなどラインアップが広がった。体の動きに合わせてしなやかに揺れるデザインが、人目を引く華やかなスタイルを演出してくれる。

長い歴史の中で多様なデザインを生み出してきたジョージ ジェンセン。そのどれもが普遍性を備え、愛着を持って長く使うことができる。さりげない個性を放つ上質なプロダクトが、日常のワンシーンに彩りを添えてくれるだろう。

ジョージ ジェンセン ジャパン TEL0120-190-404 

※『Nile’s NILE』2021年6月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。