内面化したスピリッツ

希代の天才シェフ、ピエール・ガニェール氏の名を冠したレストランがANAインターコンチネンタルホテル東京内にある。そのシェフを務めるのが、赤坂洋介氏。師からの信頼厚い赤坂氏による料理は、ガニェール氏の感性を具現するようなたたずまいを見せる。

Photo Masahiro Goda Text Izumi Shibata

希代の天才シェフ、ピエール・ガニェール氏の名を冠したレストランがANAインターコンチネンタルホテル東京内にある。そのシェフを務めるのが、赤坂洋介氏。師からの信頼厚い赤坂氏による料理は、ガニェール氏の感性を具現するようなたたずまいを見せる。

ピエール・ガニェール。フォアグラのポワレ
フォアグラのポワレに、ビーツのジュースでその風味をまとわせた牡蠣を合わせ、ホウレンソウ、牡蠣の香りの葉野菜オイスターリーフとともに。ビーツの鮮やかな色と穏やかな風味が印象的。

その後、アルザスの三つ星店「オ・クロコディル」を経てパリのガニェール氏の店に入った赤坂氏。

「最初は、何をやっているのか全然わからなかった(笑)。しかし、なぜシェフはこうするのか? を頭で考えるうちに理解できるようになりました」

そして、天才的なセンスを発揮するガニェール氏だが、ソースのおいしさを重視するなど、フランス料理の伝統をベースにしていることに気づく。

「ガニェール氏はよく『料理はファッションじゃない。そしてレストランは食事をするところ。おいしさで感動をもたらし、人をつなげるのが料理。そのためにレストランはある』と言います。私も全く同意見です」と赤坂氏。

日本の食材をフランス料理の技術、そしてガニェール氏のエスプリで仕立てている。

ピエール・ガニェール 赤坂洋介氏

赤坂洋介 あかさかようすけ
1979年千葉県生まれ。調理師学校卒業後、渡仏。4年間にわたり修業し、2003年にパリの「ピエール・ガニェール」に入店。2005年に青山の「ピエール・ガニェール・ア・東京」オープニングスタッフ。2011年からANAインターコンチネンタルホテル東京「ピエール・ガニェール」のエグゼクティブシェフ。

●ピエール・ガニェール
東京都港区赤坂1-12-33
ANAインターコンチネンタルホテル東京36F
TEL 03-3505-9505
anaintercontinental-tokyo.jp/pierre_gagnaire

※『Nile’s NILE』2019年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

1 2 3
ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。