情熱、真剣、誠実さを感じさせる料理
そのフカヒレ料理は、迫力が格別の一品。
今ではレトルトのフカヒレを使う店が増えているが、湯浅氏は本来の乾物の状態から戻して使う。フカヒレの戻しは手間も日数もかけて行う大変な作業。その分ふっくらと、かつ繊維一本ずつの存在感が際立つ仕上がりとなる。「今回は白湯(パイタン)で煮込んだ仕立て。しっかりとスープを吸わせています」
中国料理、そして料理そのものに対する熱い思いを持ちながら、「店のコンセプトは特に設けないようにしています」と話す。
「5年後、10年後に自分の技量は変わっているでしょうから。その時々のベストに向き合っていきたい」
そんな情熱、真剣、誠実さを感じさせる料理が、高い評判につながっている。
湯浅大輔 ゆあさ・だいすけ
1982年千葉県生まれ。調理師専門学校で中国料理を学んだ後、「天外店」「桃の木」「筑紫樓 銀座店」などで働き、伝統料理を習得。その後数店を経て、自店の開業前には、当時築地にあった鮮魚の仲卸店で3カ月間働く。2019年2月、「新富町 湯浅」をオープン。
●新富町 湯浅
東京都中央区新富2-7-4
growth ginza east 1F
TEL 03-6222-8677
shintomi-yuasa.com
※『Nile’s NILE』2021年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています