四川への強い思いを形で表現
「中國菜 老四川 飄香」は、「古き良き時代の四川省の雰囲気が漂い、香る店でありたい」という、オーナーシェフの井桁良樹氏の願いを込めてつけられた名前だ。その名の通り、本場の四川人も感じ入るほどの堂々たる伝統四川料理を、コースのスタイルでゆったりと提供する。
井桁氏は料理の道に入って以来、四川料理の道をただ一筋に追求し続けている。「辛さ」の印象が強い四川料理だが、実際は「百の素材があれば百の調理法がある」と言われるほどの多彩さ、絢爛(けんらん)さが特徴。多種多様な香辛料、調味料、そして調理法を駆使して、無限と思えるほどたくさん、かつ個性豊かな味を作り上げるのが醍醐味(だいごみ)だ。
その緻密(ちみつ)かつダイナミックな四川料理の世界に魅せられた井桁氏は、「いつかは現地で修業し、四川の一流の味をこの目と舌で確かめる」と、修業中から決めていたという。
当時は、日本人が中国現地の料理店の厨房に入るなど、まるで考えられなかった時期だったが、どんな小さな縁でも活用し、持ち前の粘り強さも最大に生かすことで、2000年代前半に上海と成都で1年間ずつ研鑽(けんさん)を積む機会を得た。