料理とワインのハーモニーを大切に
1582年にパリのセーヌ河畔で開業したトゥールダルジャンは、各国の王侯貴族をもてなしてきた、フランスを代表するグランメゾンの一つだ。そのトゥールダルジャンの世界唯一の支店が、トゥールダルジャン 東京である。
エグゼクティブシェフを務めるルノー・オージエ氏は現在38歳。春にはフランス料理界最高の栄誉とされるM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を授与される。日本在住のシェフとしては37年ぶりの受章という快挙でもある。
「トゥールダルジャンはフランス食文化の大きな柱。日本とフランスの食文化の懸け橋となれていることを、とても光栄に感じています」とオージエ氏は言う。
料理人の家系で育ち、幼い頃から「将来は料理人に」と決めていた。しかし、父親は料理人になることに反対で諦めさせようと、あえて厳しい三つ星レストラン「ジョルジュ ブラン」を紹介した。見事、この店で採用され、本格的な料理のキャリアをスタートさせる。
さらに2年半後、エル・ブリが注目される中、先駆的なフランス料理の名手、ミシェル・トラマ氏に師事。その後、アラン・デュカス氏やフィリップ・ミル氏がシェフを務めた名店で修業を重ね、トゥールダルジャン パリ本店を経て、2013年に32歳という若さでトゥールダルジャン 東京のエグゼクティブシェフに就任したのだ。