格調高き大胆

江戸前鮨の基本からブレず、かつ、柔軟な姿勢と並々ならぬエネルギーで、独自の世界を築いている「鮨よしたけ」。主人の吉武正博氏は、東京・銀座のこの店のほか、香港でも「すし志魂」をオープンし、2都市でミシュラン三つ星を獲得するという快挙を成し遂げた。1月末に、同じ銀座内で移転をして、ますますの充実を見せる。

Photo Masahiro Goda

江戸前鮨の基本からブレず、かつ、柔軟な姿勢と並々ならぬエネルギーで、独自の世界を築いている「鮨よしたけ」。主人の吉武正博氏は、東京・銀座のこの店のほか、香港でも「すし志魂」をオープンし、2都市でミシュラン三つ星を獲得するという快挙を成し遂げた。1月末に、同じ銀座内で移転をして、ますますの充実を見せる。

鮨よしたけ、マグロのにぎり
ネタ、シャリ、わさびが口の中で一体化する。それが、吉武氏の鮨だ。マグロは大トロ、中トロ、赤身を出す。ほどよく熟成させたこの中トロの、香りと旨み、なめらかさは格別。目利きと熟成、包丁の技で、多くのお客を虜にする。

新たな充実の環境で、さらなる飛躍を迎える

今年の1月21日より、同じ銀座の中で移転した「鮨よしたけ」。広さの増した空間に、カウンターはもちろん、天井、砂壁、廊下などを細部に至るまで美意識を込めて作り上げた。そして主人の吉武正博氏が何よりも楽しみにしていたのが、厨房の充実。人一倍探究心旺盛な鮨職人である吉武氏が温めていたさまざまな希望、アイデアを可能な限り実現した。

一番の目玉は、独自のシャリのシステム。コースの握りの最初と最後、いずれも作りたてのシャリで握れるよう、こまめにご飯を炊き上げたい。そのために、釜飯サイズの羽釜をたくさん使用。以前の店でもこの方法を取っていたが、今回はグレードアップし、それぞれで火加減を細かく調整できる特別仕様とした。
これにより、ネタに合わせて異なる印象の、かつ理想通りのシャリを作ることが可能に。より細かく、徹底して、最上の鮨を追い求める。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。