「おいしいものをよりおいしくしたい、その一念で料理を突き詰めたら、この形になった、という感じですね。周囲からはよく『斬新だね』と言われますが、それは個人の受け止め方。中には『きれいなだけで、おいしくないんじゃない?』と先入観を持たれる方もいらっしゃいますけど、召し上がった瞬間においしさを実感していただいています。とにかくおいしくないとイヤなので、食材もいろんな産地のものをブラインドで選んでいます。生産者の顔が分かると、どうしても感情移入しちゃうので」
料理にどこまでもストイックな米田さんは、 “体づくり”にもストイックな様子。コックコートがはちきれんばかりの、筋肉隆々にしてスマートな体形にそれが象徴されていると感じる。「実は40歳を迎える頃、食べ歩きがたたって体がボロボロになったんです。ジムで鍛え直し、すっかり元気になりました。今も『1回1時間、3日トレーニングして1日休み』というペースで運動を続けている」そうだ。マッチョで健全な肉体から、美しくておいしくて骨太な料理がクリエートされている。
米田肇 よねだ・はじめ
1972年生まれ。エンジニアから料理人の道へ。エコール辻大阪を卒業後、関西のフランス料理店を経て2002年に渡仏。08年に「Hajime RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON」をオープン。12年5月に店名を「HAJIME」に改称。ミシュラン三つ星を獲得。
●HAJIME
大阪市西区江戸堀1-9-11
アイプラス江戸堀 1F
TEL 06-6447-6688
hajime-artistes.com
※『Nile’s NILE』2020年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています