美味往還、旨し国 伯耆・因幡

鳥取では今、生産者自らがブランディングをして、他にはないものを作ろうという動きがある。こだわりの方法で旨いものを提供しようとしている生産者に会いに、「かんだ」の神田裕行さんとともに、鳥取を訪れた。

Photo TONY TANIUCHI  Text Rie Nakajima

鳥取では今、生産者自らがブランディングをして、他にはないものを作ろうという動きがある。こだわりの方法で旨いものを提供しようとしている生産者に会いに、「かんだ」の神田裕行さんとともに、鳥取を訪れた。

美味往還、旨し国 伯耆・因幡

山陰の“食のみやこ”、鳥取県は、四季折々の自然と風土によって育まれる食材が実に多彩だ。約240年前から献上品とされていた松葉がにを筆頭とする海産物、江戸時代から産地として知られる和牛などの畜産物、大山の麓に広がる肥沃な黒ぼく土で育つ農産物、さらには鳥取県オリジナルの“幻の酒米”「強力(ごうりき)」を復活させた日本酒など良質な食材がそろう。

そして、今、独自の工夫をすることで、よりおいしく、より新鮮な状態で消費者に届けたいと努力を続ける生産者たちがいる。彼らは、漫然と農産物を作るのではなく、ただ漁に出て魚介をとるのではなく、自分たちが手を加えることで、他にはない旨いものにすることができるのか、日々、試行錯誤している。

こだわりの方法で独自のおいしいものを提供しようとする生産者たちに、ミシュランで12年連続三つ星を獲得し、和食の新しい地平を切り開いてきた元麻布「かんだ」の神田裕行さんとともに会いに行った。
彼らを紹介してくれたのは、鳥取県調理師連合会「惣和会」の料理人たち。普段、店で使っている食材の生産者を中心に、「神田さんをうならすことができる」と考えたものばかりだ。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。