
山陰の“食のみやこ”、鳥取県は、四季折々の自然と風土によって育まれる食材が実に多彩だ。約240年前から献上品とされていた松葉がにを筆頭とする海産物、江戸時代から産地として知られる和牛などの畜産物、大山の麓に広がる肥沃な黒ぼく土で育つ農産物、さらには鳥取県オリジナルの“幻の酒米”「強力(ごうりき)」を復活させた日本酒など良質な食材がそろう。
そして、今、独自の工夫をすることで、よりおいしく、より新鮮な状態で消費者に届けたいと努力を続ける生産者たちがいる。彼らは、漫然と農産物を作るのではなく、ただ漁に出て魚介をとるのではなく、自分たちが手を加えることで、他にはない旨いものにすることができるのか、日々、試行錯誤している。
こだわりの方法で独自のおいしいものを提供しようとする生産者たちに、ミシュランで12年連続三つ星を獲得し、和食の新しい地平を切り開いてきた元麻布「かんだ」の神田裕行さんとともに会いに行った。
彼らを紹介してくれたのは、鳥取県調理師連合会「惣和会」の料理人たち。普段、店で使っている食材の生産者を中心に、「神田さんをうならすことができる」と考えたものばかりだ。
美味往還、旨し国 伯耆・因幡 目次
國吉農園
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農薬も有機肥料も使わない自然栽培を手がけ、野菜や植物を育てて土を作っている。前田牧場
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明るくて風通しのいい牛舎で、牛たちはストレスなく元気に育てられている。わたや
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生の有機物を土の上に置いて堆肥化したふかふかな土で、根菜や米、リンゴを育てる。むらおかファーム
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隔離ベッド栽培を取り入れながら、トマトを中心に個性ある野菜たちを育てている。わかさ29工房
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捕獲直後の鹿を素早く切り分け、30分程度で冷凍庫へ。ジビエのイメージが変わる。広岡農場
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梨がおいしく育つ環境がそろう鳥取県平岡にて、約50年、果物を露地栽培している。吉村康義さんの水田
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宮﨑さん(右)が営む「梅乃井」のために、吉村康義さん(左)は梅乃井用の米を作っている。楽粹
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鳥取地どりピヨは、純度の高い岩清水で作った豆腐を食べて育つ。肉質がなめらかで柔らかく、脂もさっぱりしている。