料理人たちの昭和の味、平成の味 Ⅰ

料理人たちにとっての「昭和の味、平成の味」とは? 今回は、神田裕行さん、飯塚隆太さん、岸田周三さん、小林武志さんに伺った。

Photo Masahiro Goda. Haruko Amagata 

料理人たちにとっての「昭和の味、平成の味」とは? 今回は、神田裕行さん、飯塚隆太さん、岸田周三さん、小林武志さんに伺った。

岸田周三
カンテサンス

カンテサンス 岸田周三氏

子供だった昭和の時代で、記憶に残っている味といえば、母の家庭料理ですね。料理がうまい人なので、ハンバーグやカレーはもちろん、何を食べてもおいしかった。中でも、僕は豆アジの南蛮漬けが大好きで、これが食卓に上がるとものすごくうれしかったことを覚えています。
中学時代には、本で読んで知った志摩観光ホテルのレストラン「ラ・メール」を率いていた高橋忠之総料理長が作る料理を食べてみたくて、親に連れて行ってもらいました。この本は、当時の第11代帝国ホテル総料理長の村上信夫さんと高橋総料理長の対談で、「料理長とは何ぞや」というテーマ。特に印象に残ったのが、29歳の若さで料理長に就任した高橋さんが、地元の食材を追求した料理で「ラ・メール」を世界的に注目されるレストランに成長させたことで、すごいなあと。高橋さんのスペシャリテともいえる、鮑のステーキを実際に食べてみて、こんな料理があるんだと衝撃を受け、そのおいしさにめちゃくちゃ感動しました! 
平成に入って修業時代は、パリでも東京でもとにかくフランス料理を食べまくりました。シェフになってからは、いつ食べても驚きや発見がある日本料理とか鮨ばかりを食べていますね。

●岸田周三
カンテサンス

岸田周三さんの想う「令和の味」
海とたわむれる

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。