料理人発想のおおらかさ

フランス料理出身のシェフによる素材の個性の芯をとらえた創作は、かき氷にも存分に生かされている。砂糖は極力使わない方針で、素材の個性を存分に感じられるかき氷だ。

Photo Satoru Seki  Text Izumi Shibata

フランス料理出身のシェフによる素材の個性の芯をとらえた創作は、かき氷にも存分に生かされている。砂糖は極力使わない方針で、素材の個性を存分に感じられるかき氷だ。

TREE by NAKED yoyogi park かき氷
素材の持ち味がナチュラルかつ力強く感じられる、「マンゴーとパッションフルーツ マスカルポーネのかき氷」。

「TREE by NAKED yoyogi park」は、都心にありながら緑豊かな代々木公園に面し、ナチュラルな雰囲気が店内にまであふれている。室内の壁には季節に合わせたアートワークをプロジェクションマッピングし、時季に沿う音楽を流すなど、五感で楽しむ総合的食体験を提供する。
料理は「パワー&ヘルシー」がテーマ。自然で力強さのある食材を用い、プラントベースやオーガニックも意識するなど、今の時代に沿った健康的な食を追求している。

そんなTREE by NAKED店のかき氷からは、素材がその力を存分に発揮している様が感じられ、全体的にダイナミックな印象。フランス料理出身のシェフの考案による、素材の個性の芯をとらえた創作がかき氷に生かされている。

今回紹介する「マンゴーとパッションフルーツ マスカルポーネのかき氷」では、大ぶりにカットした完熟マンゴーがゴロゴロとのり、なめらかなマスカルポーネのソースがたっぷりとかかる。マンゴーとパッションフルーツのソースはトロリと濃度があり、風味豊か。素材の魅力を引き出し、シンプルに組み合わせたうえで氷にのせたような、ダイナミックな存在感を備えている。

「2種のソースのレシピ作りでは、試行錯誤を重ねて最適なバランスを探りました。仕上がりはダイナミックでストレートかもしれませんが、意外と綿密に作られています」と、マネージャーの太田大樹さん。

「フルーツのソースでは、マンゴーの甘さとパッションフルーツの酸味をけんかさせないよう意識しています。一方、マスカルポーネのソースはヨーグルト入り。ヨーグルトの酸味を生かしつつ、マスカルポーネ主軸にまとめてコクを強めました」

砂糖は極力使わない方針で、このかき氷も砂糖不使用。素材が一層ストレートに生きる。

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。