京都産きゅうり
揚げた湯葉を北京ダックに見立てた料理でも、極めて精緻に味が構成される。
ここでは通常の北京ダックと同様、味付けに甜麺醤(テンメンジャン)が用いられるが、それを揚げた湯葉の内側に閉じ込めるように塗るのがポイント。なぜなら、かんだときの第一印象できゅうりを最大限に感じて欲しいから。味の強い甜麺醤は何度かかむうちに湯葉の中から現れる仕立てとした。
「第一印象はとても重要。味が現れる順番が、それを決めます」
館林産きゅうり
さらに、きゅうりをごく細く切り、苦みが特徴の四川の青山緑茶と日本の玉露を合わせた液体に入れた品も、実に繊細な風味の組み合わせで成り立っている。2種の茶は味が強く出すぎない、かつ香りを備えるバランスで抽出。これがきゅうりの爽やかな苦み、風味と調和。夏にぴったりの苦みと清涼感を演出する。