京都産きゅうり
京都のきゅうりは、日本を代表する軟水の影響だろうか。「はんなりとして優しい印象」と話す。
このきゅうりは、きゅうりのすりおろしと甘酢を合わせた「緑酢」に仕立て、鮎の唐揚げと合わせた。ポイントは、緑酢に木の芽、蓼(たで)をプラスしてオリジナルに仕立てる点。
「まずは頭からからかぶりついてください」
その一口で、鮎の苦みと旨みの上に、きゅうりの爽快感と青い香り、木の芽と蓼の苦みやかすかなえぐみが重なり、さらにきゅうりの薄切りの香りがかぶさる。熱々の鮎の唐揚げと冷たい緑酢、カラリとした鮎と柔らかい緑酢、パリッとしたきゅうり……さまざまな要素を込めた一口は、口の中に驚きと充実感を創出してくれる。
「一つずつの要素が、突出している。それらのバランスを取りながらまとめます」