
池波正太郎作品では、料理や食事の場面が大きな見所の一つだ。
映画『仕掛人・藤枝梅安』にも、健啖家としても知られる池波さんらしい“料理仕掛”がふんだんに盛り込まれている。
その料理の監修に当たったのは、日本料理店「分とく山」総料理長・野﨑洋光さんだ。
撮影現場で江戸の料理を味わった仕掛人コンビ、豊川悦司&片岡愛之助さんは、こうささやき合ったそうだ。
「食のシーンはもうワンテイク撮りたいね」
梅安のお墨付きを得た江戸の料理を披露していただくとしよう。
特集-梅安・江戸の料理
梅安・江戸の料理
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藤枝梅安のお墨付きを得た江戸の料理。いたってシンプルだが、背景の物語を含めて、なかなかオツな味わいである。ちなみに野﨑さんは主に食物史学者・川上行蔵さんの本を読み、江戸の料理を学んだそうだ。「分とく山」野﨑洋光さん
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野﨑さんによると、映画における料理監修は「使う食材や料理が時代に応じてマルかバツかを見極めたうえで『これはあったかも』と思える△の部分で想像力を膨らませるのがおもしろいところ」だという。闇の世界に針一閃
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池波正太郎の『仕掛人・藤枝梅安』は、50年前に発表されて以来、累計部数が600万部超えという大変なロング&ベストセラーだ。5年越しの大型プロジェクトとなった今回の映画では、梅安役に豊川悦司、相棒の彦次郎役に片岡愛之助がキャスティングされている。

野﨑洋光 のざき・ひろみつ
1953年、福島県生まれ。武蔵野栄養専門学校卒業後、「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、「とく山」の料理長に就任。89年、西麻布に日本料理店「分とく山」を開店。現在は、移転した南麻布の「分とく山」を始めとするグループ5店舗の総料理長を務める。著書『池波正太郎の江戸料理を食べる』(朝日新聞出版)や、江戸料理を再現したDVD『池波正太郎の江戸料理帳』など、江戸料理の造詣が深い。
●分とく山
東京都港区南麻布5-1-5
TEL 03-5789-3838
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