加藤氏も、「近い将来、無駄を出す余裕はなくなるはずです」という。地球規模で見ると、人口急増や気候変動の影響で、2050年には食料の供給が窮迫する可能性が高いと言われている。食料自給率が低い日本では、食料事情の見通しがひときわ立ちにくい。「そのような状況を知らず、食品ロスや環境破壊に目を向けないなんてことは、あってはなりません」
ちなみに加藤氏は世界の環境問題や社会問題全般に対して常にアンテナを張り、最近ではIPCC(気候変動に関連する科学的評価を担当する国連機関)の報告書を読んで情報を得ているそうだ。これからは料理人であっても料理だけに興味を持ち、社会の動きを知らないでは通用しない。
「見たくないものから目を逸らし続けるのも、もう限界に来ています」
未来に伝える真に美しく健やかな料理とは、どのような料理なのか? 料理人は何ができるか? そんな問いを日々自分たちに突きつけている二人。料理界に、そして社会に新しい価値観を提示してくれるに違いない。
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