リューズ 飯塚隆太
飯塚氏が今回紹介するハンバーグのキーワードは、“季節感”と“ヘルシー”だ。そこで活躍するのが野菜。
「旬の野菜をたっぷりと使い、夏らしさを存分に表現したハンバーグとしました。和風ハンバーグでは大根おろしにポン酢をかけているでしょう? そのヘルシーなイメージも、参考にしています」
この料理では、飯塚氏の故郷である新潟の郷土料理「切り菜(きりざい)」をベースにした野菜のソースを作った。
「切り菜は、季節の野菜と、たくあんや野沢菜漬けなどの漬物を細かくきざんで、ごま油、醤油などで味をつけ、よく混ぜ合わせたもの。ご飯にかけるなどして食べます」
今回は、野菜はきゅうり、トマト、みょうが、青じそを使用し、夏真っ盛りの仕立てに。そして味付けは、飯塚氏のオリジナルとする―タスマニア産の粒マスタード、白バルサミコでフランス料理らしいニュアンスをプラスした。
ハンバーグ本体に椎茸をたっぷりと入れている点もこの料理の特徴だ。ただし、単に入れるのではなく、生椎茸と干し椎茸の両方を使って奥行きを出している。
また、これらは炒めてからハンバーグの生地に加えるが、その炒め方が独特だ。まずは、みじん切りにした豚の背脂をフライパンで溶かし、同じくみじん切りにした干し椎茸を炒める。
「フランス料理の挽き肉料理というと、パテ・ド・カンパーニュなどのシャルキュトリーが定番です。そこでは豚の背脂が欠かせません。そのフランス料理らしい味わいを取り入れるため、背脂を使いました」