「鳥取和牛の明日を担う4人衆鳥 前編」から続く
良い肉の牛を育てる肥育牛舎
うしぶせファーム:赤身の香り高い味わいを重視
次に訪問したのは東部、いかり原牧場。この一角に立つ4棟の牛舎の一つで、うしぶせファーム2代目の岸本真広さんが肥育を手がけている。和牛の生産地として名高い智頭(ちづ)町にある実家の牧場で生まれた子牛と、セリで買った子牛が100頭ほど、清潔で快適な環境でのんびり暮らす。
「今、雌牛を増やしています。雄牛ほど肉量は取れないんですが、雌は肉のきめが細かく、優しいけれどしっかりした味わい。赤身にもう少し味をつけたいと、餌を工夫しています。サシが程よく入り、脂はさっぱりしていて、噛んだ後に赤身の甘さやいい香りが口中に広がる感じですね」
需要の落ち込みや餌代の高騰など、厳しい状況が続く中、岸本さんは「今一度おいしさを見つめ直し、よりうまい肉をつくる」べく奮闘中だ。