1993年、「ニューワールドのスピリットを伝える、表現豊かで革新的なプレミアムワインを造る」というビジョンのもとに設立されたコノスル。その強い意思は、南米大陸を表す、「南向きの円錐」という意味を持つブランド名にも表れている。〝no family trees, no dusty bottles, just quality wine(伝統もない、ヴィンテージボトルもない、あるのは品質の高いワインのみ)〟を信条に、新しい発想やテクノロジーを次々に実践するイノベーティブなワイン造りを続けてきた。
2003年にはチリ初のウルトラ・プレミアム・ピノ・ノワール「オシオ」が欧米で高く評価され、世界最大のピノ・ノワール生産者として成長したコノスル。ツールドフランスのオープニングステージで単独のワインスポンサーを務めるなど、その実力と存在感をますます高めている。現在では、冷涼な気候と豊かな日照、ミネラル豊富な赤土に恵まれたチリ全土に、40カ所、約2千ヘクタールの葡萄畑を保有。南北約900㎞に広がる各畑のテロワールを生かし、約20種類もの葡萄栽培を手がけている。
なかでも寒流のフンボルト海流の影響を受けた冷涼な沿岸部の畑では、冷涼地に適したピノ・ノワールやシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどを栽培。チリでは知られていなかったヴィオニエやリースリングの生産も手がけるなど、同国における葡萄栽培とワイン造りの可能性を広げている。
このコノスルから新たに発表された「コノスル オーガニック グラン・レゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン」は、フランスのオーガニック農産物認定機関であるエコサート認定の有機栽培葡萄を100%使用。14カ月樽熟成し、葡萄本来の味わいを最大限に引き出した、土の滋味たっぷりの凝縮感が持ち味だ。ラベルに描かれた自転車は、日々、畑へとペダルをこいでいくファーマーたちのシンボル。およそ340ヘクタールのオーガニック畑を持つコノスルでは、「エコ・フレンドリーであることと、高品質なワインの生産は両立する」と確信している。
総合防除、二酸化炭素排出量削減プロジェクトへの参画など、環境に優しいワイン生産者の第一人者として成長してきたコノスルは、環境に関する幾つもの認証を取得。サスティナビリティ、イノベーション、クオリティーという信条が遺憾なく表現された一本だ。
プラム、クランベリーやストロベリーのチャーミングな香りと、柔らかなタンニンのエレガントでシルキーな味わいが、余韻まで長く心身を満たす。スミレの花やわずかなスパイシーなニュアンスがアクセントとなり、いつまでも飲んでいたくなる味わいだ。程よいボリューム感とさわやかな酸味が、バーベキュー、豚肉のソテー、燻製料理、すき焼き、ボロネーゼなどの多彩な料理を豊かに引き立て、食事を楽しく演出してくれる。気取らない毎日の食卓にも、大切な友人との語らいにも欠かせないワインとなるだろう。
※『Nile’s NILE』2020年10月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています