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ロドリゲス家の裏の囲いには数頭のイベリコ豚がいて、男たちが近づくと身の危険を察知してかギィ~!と激しく叫び暴れる。屠畜を控え、お腹を空っぽにするため一日以上も水以外の餌をもらっていない空腹の怒りだったのかもしれない。
マタンサが始まる。豚は屠畜され素早く解体される。血は凝固しないようにかき回され、にんにくや玉葱、香辛料などを練り合わせて加え、腸詰めにして湯通しをしてから陰干しするとモルシージャ(血入りソーセージ)が出来上がる。腸はあらかじめ塩水で洗いレモン水につけ置かれている。作業は手際よく同時進行で進む。
お母さんのパウラとピラールはロモ(ロース)、チョリソ(スパイシー・ソーセージ)やモルシージャなどの腸詰め類を次々に作っていく。ラードで揚げた皮はチチャロンと呼び、ワインのツマミにもぴったり。捨てられる部位は何もない。
生ハム担当はマヌエル。後ろ足の皮をV字にカットするのが整形の特徴で、粗塩を全体に擦り付ける。