「イヴ・サンローラン展」、国立新美術館にて開催
1957年、21歳でディオールのチーフデザイナーに就任し、最初のコレクション「トラペーズ・ライン」で鮮烈なデビューを飾ったイヴ・サンローラン。62年からは自身のブランド「イヴ・サンローラン」の名を冠したコレクションを発表し、およそ半世紀にわたり独自の感性と創造性を遺憾なく発揮し続けた希代のデザイナーである。
その功績は、ジェンダーの枠を軽やかに飛び越え、パンツスタイルを女性のファッションに取り入れたことだろう。船乗りの作業着に着想を得たピーコートを始め、パンツスーツ、トレンチコート、タキシードなどの紳士服を美しく着心地の良いエレガントなラインに改良し、女性のスタイルに現代まで続く普遍的なモードをもたらした。
イヴ・サンローランがいなければ、現代の女性のファッションは今と同じではなかったはずである。
そんな時代を超えたアイコンがいかにして生まれ、どのようなクリエーションの軌跡をたどったのか。
イヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、2008年の没後初となる日本での大回顧展が、12月11日まで国立新美術館で開催される「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル Yves Saint Laurent, Across the Style」だ。