越前の粋

鍛錬された職人の技、料亭が並ぶ風情ある街並み、そしてそこで供される美食の数々。越前国の時代から文化と産業の中継地として栄え、「モノづくりのまち」として発展してきた越前市には、ここにしかない北陸文化の“粋”が宿っている。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Rie Nakajima

鍛錬された職人の技、料亭が並ぶ風情ある街並み、そしてそこで供される美食の数々。越前国の時代から文化と産業の中継地として栄え、「モノづくりのまち」として発展してきた越前市には、ここにしかない北陸文化の“粋”が宿っている。

世界の一流シェフが愛用する高村刃物製作所の機能性を兼ね備えた新作「打雲 漆」。合計65枚の鋼とステンレスを鍛造した刃の美しいダマスカス模様に姿が写り込むほどの卓越した”磨き”と、吸い付くように刃先が入り切れ離れも良いため食材と人に負荷をかけない”切れ味”が魅力だ。漆をコーティングしたステンレスハンドルは、漆が菌の繁殖を抑え、手の触れる部分を衛生的に保ちつつ、耐久性も高めている。
世界の一流シェフが愛用する高村刃物製作所の機能性を兼ね備えた新作「打雲 漆」。合計65枚の鋼とステンレスを鍛造した刃の美しいダマスカス模様に姿が写り込むほどの卓越した”磨き”と、吸い付くように刃先が入り切れ離れも良いため食材と人に負荷をかけない”切れ味”が魅力だ。漆をコーティングしたステンレスハンドルは、漆が菌の繁殖を抑え、手の触れる部分を衛生的に保ちつつ、耐久性も高めている。

福井県の中央部に位置する越前市は、2005年に旧武生市と旧今立町が合併して誕生した比較的新しい市だ。しかしその歴史は古く、奈良時代から越前国府として栄え、京都からさまざまな技術が出入りしていたという。時代は変わっても、越前では多くの職人たちが技術を受け継ぎ、さらなる高みを目指して技を磨き続けてきた。そして今、越前市は世界に誇る「モノづくりのまち」として注目されている。

越前和紙、越前打刃物、越前箪笥。越前市が三つの伝統的工芸品を保有するに至った背景には、越前国が北陸道の文化と産業の中継基地であり、商取引がさかんに行われた歴史が存在している。また、そうした取引の中で、各地の要人をもてなす料亭文化も育まれた。

  • 黄色いタグ付きの越前がには、全国唯一の「皇室献上蟹」である証し。料亭の特色を生かした多彩な料理へと姿を変える。特長ある味わいを古都の風情と共に堪能したい。 黄色いタグ付きの越前がには、全国唯一の「皇室献上蟹」である証し。料亭の特色を生かした多彩な料理へと姿を変える。特長ある味わいを古都の風情と共に堪能したい。
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現在も数多く残る越前の料亭で、とりわけ重宝されたのが、唯一の皇室献上蟹として知られる「越前がに」だ。越前沖の海はエサが豊富で、海水温も蟹の生育に適しているため、新鮮で旨みのある、大ぶりの蟹が手に入る。口の中にほのかに上品な甘みが広がる蟹刺し、香ばしさと凝縮された旨みを味わう焼き蟹、濃厚なコクに酒が進む蟹味噌など、料亭で供される多彩な蟹は、味わいも風情も格別だ。

  • 濃厚な蟹味噌が格別な味わいのせいこがには、「赤いダイヤ」とも呼ばれ珍重されている。 濃厚な蟹味噌が格別な味わいのせいこがには、「赤いダイヤ」とも呼ばれ珍重されている。
    濃厚な蟹味噌が格別な味わいのせいこがには、「赤いダイヤ」とも呼ばれ珍重されている。
  • 伝統と格式が漂う暖簾の先では、絶品の濃厚な蟹味噌が格別な味わいのせいこがには、「赤いダイヤ」とも呼ばれ珍重されている。 蟹料理を味わいながら至福のひとときを過ごせる。 伝統と格式が漂う暖簾の先では、絶品の濃厚な蟹味噌が格別な味わいのせいこがには、「赤いダイヤ」とも呼ばれ珍重されている。 蟹料理を味わいながら至福のひとときを過ごせる。
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24年春には北陸新幹線が延伸され、新駅「越前たけふ」駅が開業されることが決まっている越前市。かの紫式部も少女時代を過ごしたことがあるという古都の風情と職人の粋、そして極上の美食に触れる旅を楽しみたい。

●越前市観光協会 TEL0778-23-8900

※『Nile’s NILE』2021年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。