“自立した女性像”を体現するザジー・ビーツ

ザジー・ビーツ、2021年度 ウィメン・イン・フィルム「マックスマーラフェイス・オブ・ザ・フューチャー賞®」受賞

Text Asuka Kobata

ザジー・ビーツ、2021年度 ウィメン・イン・フィルム「マックスマーラフェイス・オブ・ザ・フューチャー賞®」受賞

ザジー・ビーツ
2021年9月、イタリア・ミラノでマックスマーラの2022年春夏ファッションショーに参加したザジー・ビーツ氏。「マックスマーラ フェイス・オブ・ザ・フューチャー賞®︎」の受賞の際には、最新のリゾートコレクションを着用した。

毎年、マックスマーラとウィメン・イン・フィルムが共同で選出する「マックスマーラ フェイス・オブ・ザ・フューチャー賞®」。16回目となる2021年の受賞者がついに発表された。

1951年にアキーレ・マラモッティ氏が創業したマックスマーラは、イタリアのラグジュアリースタイルの最高峰として不動の地位を誇るファッションブランド。最高品質のファブリックを贅沢に使用しながら、タイムレスで洗練されたデザインを掛け合わせることで、現代を生きるパワフルな女性に向けたコンテンポラリーなコレクションを生み出してきた。なかでもコートやスーツ、アクセサリーが同ブランドを代表するアイテムであり、世界中の女性に愛され続けている。

一方のウィメン・イン・フィルムは、映画やテレビ、デジタルメディアなどを舞台に活躍する女性のキャリア促進をサポートする非営利団体。女優だけでなく裏方のスタッフなどさまざまな立場にある女性を支援し、各種活動を通して男女平等社会の実現と文化改革を目指している。その活動の一つとして、1977年から、エンターテインメント業界の新たな分野を開拓し、素晴らしい実績を残した女性を表彰してきた。

女性の伸びやかな活躍をバックアップするという意味で、共通する理念を持つマックスマーラとウィメン・イン・フィルム。そんな両者が選出する「マックスマーラ フェイス・オブ・ザ・フューチャー賞®」は2006年にスタートしたものだ。キャリアの転機を迎えている女優に対して、映画・テレビ業界での仕事や社会貢献活動における目覚ましい業績と、気品を兼ね備えた独自のスタイルを評価して授与してきた。2020年はイギリスのジェンマ・チャン氏、2019年はオーストラリアのエリザベス・デビッキ氏が選出された。

そして今年、その栄えある賞を受賞したのが、女優のザジー・ビーツ氏だ。彼女はドイツ・ベルリンに生まれ、幼少の頃にアメリカ・ニューヨークに移り住んだニューヨーカー。女優としてのキャリアもニューヨークで積み上げてきた。

2013年にデビューし、2016年からのテレビドラマシリーズ『アトランタ』のヴァネッサ役で注目を集める存在となったザジー氏。2019年に出演した映画『ジョーカー』は、アカデミー賞の11部門にノミネートされた。また、今年公開された映画『ナイン・デイズ』では、主演のウィンストン・デューク氏との共演が“時代を超えたパフォーマンス”だと、ニューヨークタイムズが高く評価。同年に出演した西部劇映画『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』は、ロンドン映画祭のオープニングを飾った。来年にはザジー氏が出演するアクション映画『バレット・トレイン』が公開予定だ。

数々の名作に出演する一方で、ザジー氏が熱心に取り組むのが環境保護活動だ。気候変動に関するさまざまな情報を発信する動画シリーズ「Zazie Talks Climate」を自ら出演・制作し、自身が運営するプライベートなチャンネルで公開。女優としての優れた才能に加え、世界的な社会問題に向き合う真摯(しんし)な姿勢、そして品位あるパーソナリティーそのものが評価され、今回の受賞につながった。

マックスマーラ創業家の3代目であるマリア・ジュリア・プレツィオーゾ・マラモッティ氏は、今回の受賞について以下のようにコメントしている。

「ザジーはダイナミックな女優であり、プロとしての生き方と人道的な活動は“フェイス・オブ・ザ・フューチャー”のスピリットを体現しています。マックスマーラは、デザインを通じて女性の地位向上を図り、インスピレーションを与えるべく、継続した取り組みを続けていきます」

また、ウィメン・イン・フィルムのエグゼクティブディレクターも、ザジー氏がこの賞にふさわしいと賞賛している。

「ザジーは役者として素晴らしい才能に恵まれているだけでなく、社会改革に取り組む次世代を代表する女優と言ってよいでしょう。映画やテレビではニュアンスのある複雑なキャラクターを演じ、一方では気候変動に関するプロジェクトでも熱心に活動しています。この賞のリストに彼女を加えることができ、誇りに思います」

マックスマーラとウィメン・イン・フィルムが思い描く“自立した女性像”にふさわしいと選出され、輝かしい受賞を果たしたザジー・ビーツ氏。今後もその活躍に注目したい。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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