今年(2026年)1月に入って早々に米国のトランプ政権が事もあろうに「主権国家」であるベネズエラのマドゥロ大統領を首都カラカスで逮捕・拘束、そのまま米国に連行するという常軌を逸した事態が発生した。正に「力は正義(Might is right.)」というわけであるが、非難轟轟の中、命令を下したトランプ米大統領はと言えば全くそれを意に介していないように見受けられる。それどころか、ベネズエラに埋蔵されている世界最大級の油田はもはや米国が占有したとばかりに、その「販売計画」まで打ち出し始めているというのであるから全くもって呆れたものである。
こうしたトランプ米大統領とそのチームによる一連の行為が既存の国際ルールを真っ向から否定するものであることは言うまでもない。そしてまたその「荒唐無稽さ」も度を越しているため、多くの有識者たちもまともなコメントを控えているように見受けられる。一見すると世界の全ての出来事がこの「ドナルド・トランプ」という男の胸先三寸にかかっているかのように見えるのであって、もはやまともな議論に値しないということなのだろう。しかしそれでも現実は着実に進展しているのだ。「これまでの常識では判断できないから」といって論評を控えるというのであれば、もはや有識者氏たちには速やかに退場願うしかないであろう。なぜならば、「思考の枠組み」の外側の出来事ばかりだからこそ、「それが何であるのか」について知りたいと皆が思っているのであって、そんな時に「答え」を持ち合わせているからこそ、これら有識者氏たちは社会の中で然るべきポジションを占めてきたはずだからだ(「大学教授」等)。

